娼年

配役も役者もみな巧い。監督は「愛の渦」の人。なので、セックスシーンだらけで、かつそれが物語の重要な点と線になっているような作品でも質に安心して観ていられる。終盤の最後の盛り上げ回収部分だけちょっと演出濃いめだったかな? ぐらい。

ひとつ惜しいのは、主人公のセックスの質。最初のものは若気の至りの不器用さでも物語の構成上いいとして、それ以降は、主人公の心と体の挫折や成長のさまが、繰り広げるセックスに写し絵にされていってほしいし、それを期待できる役者と監督だと思う。それだけに、あのがしがしは無いなあ、と思った。「頭文字D」で主人公のアクセルワークがベタ踏みオンリーだったら興醒めだと思うんですよね。でも、プロの営業がしがしは素人のそれとは全然質が違う、というのも複数の大人の女性から聞いたことあるから、そういうことだと思えばいいのか。

娼年

娼年

  • 松坂桃李
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