あのこは貴族

順当に良かった。
門脇麦は「愛の渦」で巧い役者さんだなと感心した。本作でも良い。 水原希子はちょっと苦手感を持ってたけど良かった。

僕は貴族でもなんでもないけれど、自分にはトウキョウの私立学校でずっと育って大人になった自分の人生しかないので、 私立とそれ以外、トウキョウとそれ以外とのヒトやモノの出入りには無意識にすこし身構えたり気にしすぎるところがたぶんある。その境界にあるかすかなギャップを劇として増幅するドラマ、ふたつの世界のオンナ戦争みたいな話になっちゃったら、自分のなかの何かまでえぐられるようでしんどいなー とすこし警戒していたが、異文化の相互理解という気持ち良いながれで、ひとが自信を取り戻すことの爽快感もくわわり、心地よく観終えた。 よい背景とストーリーと役者さんたちによる、素直な味わいの一本だった。

と同時に、もしこれが西川美和監督だったら、さらに人の何かが発酵する隠し味も漂って、さらにひと味濃くなるんだろうなという、ないものねだりの贅沢なことも思った。