book

スクリーンが待っている / 西川 美和

「すばらしき世界」の制作にまつわる話を中心としたエッセイ。 よかった。 穏やかで読みやすく、しかし各所にあらわれる表現のたおやかさ。 誠実で感受性ありながら、自分は映画ものがたり造り渡世をひとり進んでゆくのだというboldな心意気。 スクリーンが…

映画にまつわるXについて / 西川 美和

西川美和監督のエッセイ。 僕は西川監督の映画がかなり大好きなので、こんないい台詞や画がどうやって生まれてくるのか、どんな人から生まれてくるのか、とても興味がある。 随筆を楽しむような時間や心の余裕を数年ぶりに取り戻したので、kindleで購入し、…

MW

手塚治虫によるピカレスク・ロマン。むかーしどこかの漫画喫茶で読んだ。 今回は、たまたまKindle Unlimitedにあるのを見つけ、1巻は無料で読み、そのまま2, 3巻は有料購読して読了。有料といっても1冊あたり300円前後 かける 2冊 なので、そう負担ではない…

シェパード / フレデリック・フォーサイス

フレデリック・フォーサイスといえば「ジャッカルの日」「戦争の犬たち」といった重厚な長編を著す作家という印象が強いが、短編も決して悪くない。というか良い。 これは短編3つから成るかなりの薄い一冊だが、「ブラック・レター」「殺人完了」とも、小粋…

どうしてプログレを好きになってしまったんだろう / 市川 哲史

同人誌ライクな楽しさ、方向性、クォリティ。 どうしてプログレを好きになってしまったんだろう作者:市川 哲史シンコーミュージック・エンタテイメントAmazon

プロジェクト・ヘイル・メアリー

「火星の人」の著者アンディ・ウィアーの作品。昨年のブラック・フライデーのときに割引価格990円で上下巻ともKindle版で買ってあったが、なかなか読む暇がなかった。 おもしろかった! ラノベほどではないだろうけど、読みやすくしたハードSFといえる一冊だ…

Clean Craftsmanship 規律、基準、倫理

プロのソフトウェアエンジニアとしての心構え、思考法、コミュニケーション、マネジメントするほうされるほう、といったあたりを扱った本だと思って購ったが、前半半分ちょっとが結構具体的なTDDの実践法で、その後は若干駆け足でコード品質などについての話…

良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門 - 保守しやすい 成長し続けるコードの書き方

1995年ごろ (Windows NT 3.5にWin32sサブシステムが追加されて3.51になったころ), IRIX + ANSI CからVisual C++に乗り換えることになった僕らは、職場でいわゆるGOF本を読まされた。 しかし文体と内容が高踏的で、語られている設計手法を自分ごととして理解…

LEADER'S LANGUAGE 言葉遣いこそ最強の武器

コーチング、エンパワメント、アジャイル、サーバントリーダーシップあたりを扱った一冊。Kindleで読んだ。 LEADER’S LANGUAGE 言葉遣いこそ最強の武器作者:L.デビッド・マルケ東洋経済新報社Amazon うーん、この手のことを学ぶため、何よ…

プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで

多忙に紛れて積ん読になってたのですが、読了。 読むというより、よくも漏れなく横断して網羅したなあ、すごいなあと。 ほんとにすべてMECEに書いてある。 プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運…

FILTER Volume.01 (シンコー・ミュージックMOOK)

発売前から事前予約してあったので、発売日にすぐ届いた。 十代からシンセいじってきた五十代の男にとっては、新発見のかたまり! という内容ではないが、いりいろ懐かしく、また温故知新的なところは愛おしく、とても楽しんだ。 FILTER Volume.01 (シンコー…

M&A 失敗の本質 / 人見 健

M&AしてPMIを根気強く遂行して… 一般の暮らしでいうと、(打算的に?) 恋して結婚して、共同生活が始まって、よい未来を目指して一緒にがんばっていくつもりだったっけど、そもそも「よい」って何? 未来ってなに? そもそも未来への興味とか意味とかすら合って…

スパイスカレーを作る - 自分好みのカレーが作れるメソッド&テクニック

各種スパイスで四川風麻婆豆腐つくるのが得意な息子さん。スパイスカレーの本を買ってきた。 これが無茶苦茶面白そう。ぱっと作りたいというレシピ本ではなくて、基本要素の組み合わせと工程、そしてスパイスの組み合わせ爆発をどう泳いでいくかというロジッ…

9割がバイトでも最高の感動が生まれる ディズニーのホスピタリティ / 福島文二郎

いわゆる「ディズニーのバイト本」。いっぱい売れて、読まれたおかげでアンチもいるが、この本は、これはこれでいいのでは。 ただ、ホスピタリティって極論すると「育ちの問題」なので、ある一定以上素質がある人にはいいが、そうでもない場合は難しいよね。…

あなたのチームは、機能してますか? / パトリック・レンシオーニ, 伊豆原 弓

西海岸のとあるITベンチャーの経営陣たちがどうもうまくまとまっていない。そんなところに着任した、経験豊かなCEO。彼女はチームをどうまとめていくか。そんなフィクションと、まとめの最終章から成る一冊。 あなたのチームは、機能してますか? 作者: パト…

なぜ、この人と話をすると楽になるのか / 吉田 尚記

Kindle Unlimitedにあったので読んでみた本。 著者はニッポン放送のアナウンサーらしい。ご自身いわくコミュ障だった自分が、それを克服してトーク上手で食っていけるに至ったノウハウをトーク的に書き下ろしたもの。実際これはニコ生の書きおろしらしい。 …

世界をひとりで歩いてみた / 眞鍋かをり

Kindle Unlimitedサービスが始まったので、いくつか選んで読んでみた本のひとつ。 眞鍋かをりという、明るく芯の強いおねーさんが思いつきで世界あれこれ行ってみた体験記。さっとすっきり読めて、何も残らない(エンタメとして重要)、まさにKindle Unlimited…

星を継ぐもの / ジェイムズ・P・ホーガン

Kindle Unlimitedサービスが始まったとき、それを紹介する記事の中で「目玉コンテンツ」扱いで紹介されていた一作。もちろん僕も持っていて自宅に帰れば読めるが、何も考えずクリックして、一気に読破。 何回読んでも、何回読んでも、おもしろい。驚くべき発…

バイコヌール宇宙基地の廃墟 / ラルフ・ミレーブズ

バイコヌールといえば、ソ連・ロシアの宇宙開発の中枢。アメリカでいえばヒューストン宇宙基地みたいなもの。 が、いまや朽ち果てて、同じく志半ばでソ連崩壊も伴って頓挫した (とはいえ無人飛行でなら一応宇宙には出て戻ってきている) ソ連版スペースシャト…

わたし、男子校出身です。/ 椿姫 彩菜

椿姫 彩菜の自伝的なやーつ。彼女が書いている「男子校」は、僕が小中高と12年通った学校だ。つまりこの人は僕の学校の後輩。 子どものころから心と体の性の不一致に苦しんでいた彼女は、この男子校では理解ある仲間に恵まれて… というあらすじは以前から(リ…

東京防災ブックキットが素晴らしい件

話題になっていた「東京防災」の本。うちにも届いた。 一式アンパックして広げたところ。なんだろう、いいモノが届いたわくわく感が半端ない。 きちんと地域別に作り分けられている。こりゃ手がかかっているな…書籍本体は、読むにもよし、緊急時にパッと持ち…

ニュー・オーダーとジョイ・ディヴィジョン、 そしてぼく / バーナード・サムナー, 萩原麻理

気づいたら和訳が出ていた。予約しておき、届いた。 優しく静かに淡々と書かれている一冊。いい本だったよ。バーニー。その筋のみんなは、みんな読みましょう。 ニュー・オーダーとジョイ・ディヴィジョン、 そしてぼく (ele-king books) 作者: バーナード・…

HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか / ベン ホロウィッツ

Kindleで読んだ。私小説として面白かった。小澤 隆生「おざーん」さんの序文も味わい深い。 Andreessen Horowitzは、技術とビジネスのバランスが筋のいいVCとしてレスペクトして動きをみている。 Marc AndreessenがNetscapeやめて、AOLもやめてLoudCloudを立…

イニシエーション・ラブ / 乾 くるみ

年々物忘れがひどい。 しかし、物忘れにもメリットはある。 何かのきっかけで (映画化されたからかな?) この書名を思い出し、かつてこれを読んだ時の自分の過去エントリを見つけたのだが、はて、どんな落ちだったのか全く思い出せない。 気になるので、Kindl…

決断の速い人が使っている 戦略決定フレームワーク45, 仕事の速い人が使っている 問題解決フレームワーク44 / 西村克己

とにかくフレームワークてんこ盛りの本。Kindleなら「戦略決定フレームワーク45」は742円、「問題解決フレームワーク44」は599円と安いので、手元(クラウドに、だけどね)に置いておいて損はない。 決断の速い人が使っている 戦略決定フレームワーク45 作者:…

カンファレンス運営の本当の裏側 / 工藤春奈, 牧大輔

今朝まだ寝床にいるうちに、facebookのtimelineで見かけて、さくっと買ってさくっと読んじゃいましたとも、ええ! カンファレンス運営の本当の裏側 発売日: 2015/05/08 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る

東大家庭教師が教える 頭が良くなる思考法 / 吉永 賢一

途中までワークブック形式になっている。面倒がらずに手を動かすとよいだろう。 後半は、良き思考のための道筋の付け方のガイドになっているのだが、つい先日「エッセンシャル思考」を読んだばかり (正確には、ワークブック形式の途中で投げ出してしまって、…

セルフトーク・マネジメントのすすめ / 鈴木義幸

意識の向上に向けた本。 この手のジャンルの本は「ああ、はいはい……」という印象を持ってしまいがち(こういう、反射的に発生する、ときにネガティブな内心の言葉が、まさにこの本でいう「セルフトークA」)なのですが、この本はとても論理的な内容。かなり良…

予備校なんてぶっ潰そうぜ。/ 花房 孟胤

この本は出版予定となったときから予約していて、ずっと手元にあったのだが、うっかり後回しにしていた。 思っていたのとかなり違う読後感。中身の詰まった小説を読みきったあとのような読後感。そう。いわゆるビジネス本とかスタートアップ本ではなくて、私…

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと / 磯崎 哲也

磯崎哲也さんの、ある意味定番本。 特に面白いな、と思ったのはベスティング (vesting) のところ。一般には退職や転職に伴う、確定拠出年金の権利・資産の持ち出しのことを言うらしいが、ここではストックオプションの権利行使のことを指している。 ストック…