情報セキュリティのさまざまな課題が、昔から振り返っていつごろどんな芸風のがどんなふうに生まれてきちゃったんだろうね、という一冊。
面白かったし、自分の年代(1967年生まれ, 56歳)だとNCSA Mosaicの誕生やSatanぐらいから同時代リアルタイム体験なのだが、過去のよしなしごとについて、個々のファクトだけでなく、全体的にそういうノリだったのかー、という空気感がわかるのが価値かも。
ただ、内容でわかるとおり、これまでの残念なことがひたすら積み重なっている本であり、技術的な詳細と対策というより社会的なインパクトにも重きをおいて述べられているので、すかっとした解決や、未来への明るい展望といったものはあまりなく、ただただモヤモヤが蓄積されていく。 なので、読んでいてどんどんページが進む! という本ではない。割と読むことのカロリーが高めで、じわじわメンタルを消費する一冊だったな、ということを、ほぼ読み終えるころになって気付いた。読了まで時間がかかってしまい、他の本のブロッカーにもなってしまった。
なかなか読みおわらないな、まだあるのか… と感じていると、ページ数が51%に達したところで「訳者あとがき」がでてきて、おや? と思いきや、そこ以降はひたすら原注footnoteだった。それぐらい真面目な本でもある。
