映画館のじーちゃんと少年の友情というお話の作りだけで、観る人のツボをぐっと捉えて離さない。こんなの感動するに泣くに決まってるじゃないですか。
思っていたよりもめっちゃ素直にベタなヒューマンドラマ。名画とか名作とかいうよりもシンプルな一本に感じた。モリコーネのスコアに対しても同じく。
でもこのネタなら、あれこれ味付け料理せずとも、焼くだけで、軽くあぶるだけで、塩だけで、充分うまくて涙腺いっぱいになる。
寿司屋で「大将! 泣けるやつおまかせで握って!」「あいよ!」みたいな映画です。
ラーメン屋でラーメンを頼んだらアルフレッドとトトが出てきたような映画です。
鑑賞したのは映画館でも自宅でもなく、渋谷ストリームでやっていたSHIBUYA STREAM THEATER WEEK 2024という屋外映画上映イベント。本作のハイライトのひとつも、アルフレッドが広場のみんなのために映画を屋外上映するシーンなので、屋外上映シーンを屋外上映で見るという、極めてメタでエモい体験ができた。会場下を流れる渋谷川も観客のあふれる涙でいっぱいになっていた。