オリエント急行殺人事件

脚本と撮影と監督が残念。とても安っぽく感じた。

ストーリーはご存知アガサ・クリスティの名作なのだが、 含まれるシーンとセリフを付箋紙に書き出し、 「この主人公の探偵オモシロイよね」の付箋も追加して、 時系列にならべて、順番に撮影して、くっつけました。以上。である。 締め切り通りに提出物ができましたね。以上のものが無い。マンガでいえば、コマ割り技術を知らず長編を描いちゃったみたいな。演者は名優揃いだが、どれもこれも結果として学園祭レベルになってしまっている。

画は、まあほぼすべてCGなのは仕方ないだろうが、ディティールは綺麗だとしても、構図や動きがどれも幼稚。 決めシーンのはずなのに、そもそもパースがなんか合ってなかったりするぜ? 近年のハイエンドゲームのほうがより映画作品になってないかな? 逆に、「バーフバリ」や「ブリット・トレイン」みたいに、少し浮かせたリアリティラインの上に、CGのツクリモノっぽさやチャチっぽさを映画というおとぎ話のおいしい味付けにできてるわけでもない。

総じて、フジテレビのテレビドラマを付き合いで見る羽目になってしまったような、時間を無駄にしてしまった感がある。ラストシーンの「次はナイル殺人事件ダヨ!」にはうんざりした。

監督と主演はケネス・ブラナーだが、うーん、現場で何があったのかわからないけど、このひとは誰かの監督のもとで俳優してこそ光る人ではないかと思ってしまった。ワルキューレ, ダンケルク, TENET, オッペンハイマー、いずれも説得力あるいい役者さんだったよ…