スティーブ・ライヒといえばミニマル・ミュージックの大御所。クロノス・カルテットは、ミニマル含めていろんな前衛音楽をやっている弦楽演団。いまや4人じゃないからカルテットではないんだけど。
この一枚は、ライヒの曲を、クロノス・カルテットが中心に演っているもの。
ミニマルというと、禁欲的な音楽というイメージがあるかもしれないが、これはそんなことない。どっすりと聴きごたえのある一枚。
Triple Quartet: First Movement から Third Movement に至る最初の三曲は、弦楽合奏の、いまにも松ヤニが飛んできそうな、迫力と緊張感をたっぷりと味わえる満足のレンダリング。始まった瞬間から、もう期待と心地よさで胸がむらむらします。
さらにElectric Guitar Phaseは、ライヒの古典のpiano phaseとかをディストーション・ギターで紡ぐ15分。あの重なり合いと変容をギターで愉しめるのもなかなかいい!
そしてMusic for a Large Ensembleは、ふくよかなオーケストラルによるミニマルの、耳へのご馳走のこれまた15分である。そして最後のTokyo / Vermont CounterpointはMIDIマリンバを用いた新録。もうね。テクノ。です。これもまた、ミニマル・ミュージックの醍醐味のひとつ、変容の気持ちよさを期待で待ち受けて満足することができる。
そんな、みずみずしく、わくわくする、どきどきできる、鮮やかなミニマル・ミュージックの一枚である。これはかなり会心の出会いだった! 愛聴盤ベスト40ぐらいには余裕で入りました。