「東京時層地図」で「青山電車運転教習所」を見る

ちょっと「ブラタモリ」的なネタ。 

いまの勤務先は、渋谷駅から東に500mほど歩いていった青山学院のあたりです。オフィスから北へ青学を抜けて歩いていくと青山通り(国道246号)に出ます。国連大学が大きくそびえたってます。

国連大学や「こどもの城」の裏へ分け入っていくと、ちょっと広めの空き地があります。高低差あり、緑や池もあり、使われなくなったゴルフ場みたいな眺めです。

(追記: 2015年ぐらいから? この一帯は住宅展示場になりました)

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ここには数年前まで東京都職員共済組合青山病院 (wikipedia) が建っていました。建ったのは四十数年前のようです。

ですが、さらにその前、ここに何があったかというと、なんと、路面電車の運転練習場があったらしいのです。wikipediaから引用すると:

青山電車営業所(青山車庫前)… 構内敷地は広く、電車運転教習所が併設され、築山や池、林も あった立派な教習コースが存在した(ただし一方通行)。現在は国連大学本部、こどもの城(青山 劇場、青山円形劇場など)が立地し、教習所跡は広大な未利用地(約1.7ヘクタール。2008年3月31日までは東京都職員共済組合青山病院があった)となっている。

築山や池、林もあった立派な教習コースの電車運転教習所。

これはもう鉄道模型レイアウトというか、トミックスとかカトーとか積水金属とか天賞堂とかグリーンマックスとかメルクリンの世界です。

でも、結構ぐぐってみても、それ以上の情報がありません…
もっと知りたいなあ、と思っていたのですが。

以前「東京時層地図」(Japan Map Center, Inc, 1,900円)という、明治時代から戦後高度成長期ぐらいまでの東京の地図を見てあそべるというiPhoneアプリを買っていて、そのまま忘れていました。

東京時層地図

東京時層地図

  • Japan Map Center, Inc.
  • ナビゲーション
  • ¥1,900

で、ある日 地下鉄に乗っていて、地下の車内は圏外で退屈ですから、ふとこの地図アプリを見ていたら(古地図なので当然地図画像はローカルに持っているわけで、ネットワーク接続がなくても見れるわけです)、この「チンチン電車練習場」の過去を見てみることを思いつきました。

過去にさかのぼって見ていきます。

ただし、このソフトはこの地図を見せてなんぼのモノであり、まんまここでお見せしちゃうとこの会社さんの商売あがったりなので、「こういうものが見れそうなんだな、面白そうだな」という紹介にとどめるため、適宜モザイクかけてます。

昭和30年ごろ

国連大学やこどもの城の裏は、がっつり都電の車庫だったんですね。
電車運転教習所のあたりは、もうつぶされて、病院と池になっています。

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戦前

昭和3~10年ごろ. もっと線路がシンプルだったようです。

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関東大震災まえ

大正5~10年ごろ。

きました!

車庫や営業所の裏を、お池や緑や林をめぐって、8の字ループありで線路がぐるぐるめぐっています。

これは、たまらんです!

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明治末期

電車教習コースの基本レイアウトは、このころ既に確定していたようです。

8の字ループのところが、平面交差なのか、立体交差なのかが気になります。平面だとおもいますけど…

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これはぜひ当時の写真をもっとみてみたい!

ドイツの自動車技術の発展の陰にニュルブルクリンク・サーキットの北(Nord)コースが大きく寄与しているとするなら、日本の都電には青山電車運転教習所があったのだ、と言えましょう。

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というわけで、このアプリ「東京時層地図」、興味ないひとにはサッパリだと思いますが、この手のものが好きなひとにはかなりおすすめ。ぜひおためしあれ。