目の前が網走湖のホテルを出て、
一路知床へ。きのうはもう夜でわからなかったが、広い大地、ひろがる緑がたいへん素敵でやられる。
借りたレンタカーは現行カローラの4WDで、スタッドレスを履いているせいもあるのかもしれないが、いったいどっちを向いて走っているのかよくわからない代物で、トヨタの常でブレーキも弱く、つねにハンドルを持ってしっかり運転していないと、ほんのちょっと脇見をしただけでどこにふらふら行くのかわからず、おっかない。
むかしUSで借りた100系のカローラセダンは、使いやすい運転しやすいコンパクトなのに広い性能もハンドリングもデザインもいいと、実にすばらしいと感動したのだが*1、その後の110系はバブル崩壊の反省をすべて一台のクルマで背負ったようなコストとクォリティダウンの固まりの嗜虐カーだったから、その後の世代も、悪しき自虐史観的な車のまま来てしまっているのだろうかカローラは。ヴィッツやプリウスは良いのに、もったいない。
ただ、カーナビはおそろしく便利だ。電話番号とか入れるだけでどこでもわかる。なんか地図にも今どきはカーナビ用の番号とかはいってる。何一つまったく迷わずどこでもいける。この車を「カーナビを主とした移動用の箱」と考えれば、これは実にすばらしい。いまの人はだからこういうのを自動車と呼ぶんだよ、と言われればそうなのかもしれない。
オホーツク海がみえてくる。
遠音別橋 (オンネベツ)
橋のうえに車や人が集まっているのでとめてみる。みんなサケの遡上をみていた。みんな(サケ)、たいへんがんばっている。
力つきてるのもいっぱいいる。
オシンコシンの滝
さらにちょっと北上して、オシンコシンの滝。
甜菜(てんさい)の実物をはじめてみる。ご存知、砂糖大根。
ウトロ
根室のウトロから知床観光船で硫黄山航路へ。これは冬期は砕氷船にもなるらしい。本当は知床岬航路で北海道の最東端をみたかったのだが、10月だともう厳しいようだ。
なかなかすばらしい。
あと、自衛隊というか防衛軍がいない(少なくとも見えない)のだなあ、とも思う。
カモメたちが船と伴走する。空中で止まっているようにみえる。
知床五湖
知床五湖へ。峠をのぼってゆくと、コーナーにエゾシカがいて、しばし見つめ合ってこんにちは。
知床五湖は、その名の通り5つの湖から成っている散歩コースで、すべてまわると1時間以上、ヒグマの生息地なのでクマ避けの鈴必須。とりあえず時間もなくなってきているので第一湖、第二湖だけまわる。
すでに紅葉はなかば終わり、あとは枯れて朽ちて冬にはいってゆく自然のすべてが、しずかで大いなる感じ。木や植物たちが、なんとも内地のそれらとは雰囲気が違っていて、むかし行ったカナダの大自然のそれと似通っている。緯度がもうそっちに近いのだろう。
水が、きれい。いや文字とかしょぼい画像でいろいろ伝えるのがナンセンスなんですが、すばらしい。
湖面を通してかなたの景色が鏡のようで、その水面には落ち葉がかさなり、そして水のなかには、なにやら黒っぽい魚たちがしずかに、ときたまうごめく。
これ、もろに M. C. エッシャーの「3つの世界」のアレですよ。
いや、こうやって感じたものを頭のなかでカタにはめてしまうというのが、オスカー・ワイルド曰く「自然は芸術を模倣する」ってヤツかもしれないね。
例の「熊出没注意」売店もあったりして、ふーんふーんと眺めていたのだが、店の奥からうちの奥さんが喜んで手招きしてくれる。なんだろうとおもったら、数年まえに甲州街道で前を走っていた車がつけていた、「女房が乗ってます」ステッカーが、ここで売られていた!当然速攻で購入。
ここは「熊出没注意」グッズのオフィシャルショップで、しかもここ限定品らしい。知床五湖というと、もうこっから北東は一般人は立ち入り禁止、自衛隊と特殊車両じゃないと踏み入れられないそんな極東ですよ。ここまで来ないと入手不可なレアアイテムだったのかこれは。
すでにかなり夕暮れ。といってもまだ4時半とかですが、これだけ極東なのだから、本来東京あたりとは時差があってもおかしくないレベル。帰投方向へ。
川湯温泉
摩周湖近くの川湯温泉にある川湯観光ホテルへ。ここは隣に足湯があったり、1F に懐古な一角(新横浜のラーメン博物館みたいな) が作られていたり、なんつか前向きさアリなところ。北海道はまだまだホスピタリティとか施設のレベルとかは本土におよばないという話を聞くが、てなわけでここは風呂も宿も特に問題ない。
サッポロ・クラシックという北海道限定のビール。軽くさっぱりしていてなかなか悪くない。
これが「女房が乗ってます / 熊出没注意」であります。
私は「子供が乗ってます」系のクルマのステッカーが大嫌いなので (じゃあ子供が乗ってなきゃ煽ってもいいのか?子供が乗ってたら車社会に甘えてもいいのか?みんな子供乗せてないときは当然外してるんだよね?) そういうアンチテーゼの意味でもパンチが効いたネタで、なかなか良い。