帰ってきたヒトラー

ベルリン崩壊時に自殺したアドルフ・ヒトラーが、死の瞬間に現代にタイムスリップ。前半は、テレビ局を首になった青年とのバディー・ムービー風味で、ややダレる。ちょうど上映時間の真ん中あたりから俄然面白くなってくる。

既存メディアや映画のいろんなおちょくり、パロディ頻発で、そもそもこの映画「ヒトラー最期の12日間」と同じプロダクションらしいので、例の総統閣下の流れはセルフパロディだ。途中の各種ロケシーンも、これみんな素なんだろうな、ヒトラーにそんな抵抗ない市民の素の反応がかえってヤバいな、という面白みもある。

もうちょい予算と画づくりがちゃんとしてるとかなりの名作になったかもしれないが、結構な危険球をスクリーンに放った意気込みは買える一作。