Magma 東京公演の二日目。渋谷のQuattro.きょうはmhatta 氏も誘ってみた。
二日目のほうは、ライブがおおきくふたつにわかれていて、前半はアカペラ系。グランドピアノ一丁に、コーラスの4名(Paganotti 兄妹, きょうは赤いドレスの Isabelle,奥さんの Stella)にChristian Vanderを加えた5人で唱いまくる。最初の一曲、というか組曲全体が50分ほど。もう息をつかせぬというかね。西洋と東洋の入り交じるコード展開、予定調和をあやしつつも裏切り続ける驚異の曲展開、この素晴らしさについて何かを文字で伝えようというアプローチに絶望を感じるしかない。Christian Vander の声域の広さ、声量の豊かさにも驚く。そのあとたしか Hhai をやって、前半終了。ピアノの人は結局1時間以上音とリズムの芯を延々とやっていて、すごい集中力、おつかれさま。変拍子だらけのリズムキープを1時間以上一人で受け持ち続けるのは、これは労働基準法にひっかかるのではないだろうか? 13/8 でずっと踊るこっちも疲れたが。
後半は歌ものは引っ込んで、キーボード2名、ベース、ギター、そしてChristianのドラム。バンド演奏のみなのだ。いきなり Kohntahk. キターーーーーーーー!!!!!でも当然バイオリンはないし、あの宇宙的な空間と神秘とドラマを織りなすヴォーカルもないので、詰まって黒くタイトな感じ。正直最初はカラオケ感(ロケ地渋谷)が頭を離れず、ギターもなんかイマイチで、あぁこれをちゃんと9人でやってくれたらどんなにいいことだろうと、それが常に頭にあったのだが。後半からいきなり凄くなった。なんか急に全員ブチ切れた。特に、ベースのソロが凄い。ディストーション・ベースで、すごいアクション、すごいメロディライン、もの凄い早弾きに、オーイ、君それベースだよ!!!でもって、もうそのすべての中核の Christian Vander のドラムが、核爆発する千手観音のような凄さで。もうね。あのね。
アンコールでは、また静か目のヴォーカルベースの曲を、Christian が一本立ちのマイクのまえでとうとうと詠唱。地鳴りのような低音から、ベルカント唱法っぽいソプラノのような高音までのびのびと情念こめて唄うのがすごい。たださすがに若干後半声に疲れがでていたような気はした。
いやまったく今日もすごいものを観た。バンドとしてのアンサンブルの凄さ、作品としての素晴らしさは昨日の9名編成のほうだが、「スゴイ」をさらに脳のシナプスすべてが破裂するほど感じたいなら断然きょうのほうだ。つまり2日とも体験しないことには話にならない。なんでも本国フランスでは3〜4日にわけて演るべきものを圧縮して2日でやっているのだそうで。翌日になってもまだ僕はぼーっとしている。これから僕は、次のMAGMAの来日はいつかなーと、それだけを考えて生きる抜け殻の人間になりそうだ。