ふりかえり MotionX 2009/1/25

Motion X at Loop-Lineのセットリストふりかえり。PAの返りのモニタがあったほうが歌いやすいが、ちいさなところで大きな音を出していくならそもそも無理な話なのでしょうがないよな。

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1. Thatness and Thereness

坂本龍一のソロ名盤B-2 Unitから。原曲は左右ステレオで位相をずらしたアルペジオが鳴ってるのがすごいアイディアなわけだけど(坂本龍一featuring Thomas DolbyのField Workもそうだよね)、あえてそれはナシのおとなしめのアレンジで。この曲はいつか演って歌いたかったのでどうだざまあみろと。

ビデオは、これはうちの出番としては一曲目なのであまりいろんなオカズはださず地味めに。Quartz ComposerのParticle Patchに、Image入力は何もいれず、Mask情報が単に白い四角になってるのを中央から噴出させたり、グラビティ指定して色味を薄く付けたり。

梅沢のテルミンProfessionalのソロの後ろは、 映画「去年マリエンバートで」L'Année dernière à Marienbadのイントロのほうのシーン。ここは、かなり、どうだ恐れ入ったかという気分。

終わりは、Particle Patchの四角をごく少なく、でかくして、彩度たかめの赤を入れていって、リシツキーなロシア構成派というか、要はB2-Unitのジャケットへのレスペクトに落とし込んで、おしまい。

後半はいってくるリズムボックスは、KORG Rhythm Box KR-33のホンモノをサンプリングしたのをApple Loop Utilityでループ音源にしたのを使ってます。
3/4の曲なのに4/4のリズムパターンを使ってますが、なので拍が表いったり裏いったりして気持ちいい。

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2. In Fact

いろいろ実験インスト。どっちかというと211 apartむけに梅沢が書いていた曲のようだ。彼はNINTENDO DSというかKORG DS-10でも大暴れ。

俺のQuartz Composerのほうは、ごめん、結局ぐっとくるイメージというかメタファーというかテーマがみつからなくて、煮え切らないイメージの入れ替えに、なんか適当にぐるぐる回すだけという不完全燃焼な作品でおわった。面目ない。

3. Tanto Tempo

不遜にもBebel GilbertoのTanto Tempoをやってみた。ジャズコード的に動き回るベースラインはぜんぜんうまく取れなかった。ビデオは非現実で白日夢な海の航海という感じで。

4. Never Turn Your Back on Mother Earth

Sparksのむかしの曲(アルバムPropaganda)

これはどうにもこうにも俺では上も下もオクターブが足りないということに朝4時まで歌を練習していてわかったので、当日ボーカルを交替していただいた。

ビデオは、ロシア語で書かれたエコロジー関係のポスターとか環境関係の書籍の表紙を、いろいろコラージュして数千pixelぐらいに縦長および横長につなげた画像を、Quartz Composerでスクロールする動画素材をつくって、同じくロシア語の環境系のバックに、モーションブラーのエフェクトの中心をLFOプラス乱数で位置を揺らしたり振動させたりしたものの上にコンポジット。

5. Fatal Moment

僕のちょうど20年まえぐらいの曲なので、その筋のかたにはもろに懐メロというやつで。音はLogic 8ベースで新録。

ビデオは、曲と歌詞のイメージを、ひどくブラーさせて静止画ぱらぱらとかいろいろ作っておいた素材をコンポジット。

これも、あんまやりすぎないほうがいいね。ビデオと音や歌やライブ・アクトがどう合わさるかを常に想像して、オーディエンスの興味(耳、目)が、いまは歌、いまはベースライン、いまはリズムのおかず、いまはビデオ、というふうに、ボーカルラインとか編曲とかとの折合わせを常に考えて、抑えるところはおさえていったほうがいい。
(というか、ここは音程が不安そうだというところは、ビデオのほうに注意を引きつけておくというみっともない陽動作戦もTPOのうち)

こういう、右脳と左脳の総力戦みたいなところが自分としては最高にきもちいい作業なのだ。

歌詞は、去年myspaceで知り合ったUSのひとにちょっと英文チェックをいれてもらった。が、rhymeがちょっと崩れた気もする。

後半の、フランス語の語りと劇場的な拍手は、これまた映画「去年マリエンバートで」からのサンプリング。最初にレコーディングした20年まえの当時は, AKAI S-612かRoland S-220とか使ったのだろうか、もう覚えていない。

でも動画としての引用は、あえてこの曲ではつかわず別のに回すという。

6. Moonlit Seashore

これも20年まえの。これまたLogic 8で新録。リズムがらみはかなりシンプルに余計な味をそぎおとしています。シンセベースのシーケンスも、ベロシティでVCF開きのツボとかを結構こまかく調整いじりまくっています。でも判らないだろうな誰も。

ビデオは、歌詞世界から拾った写真を、ひどくブラーかけたりして連続動画にして、そんだけをテーマにしていろいろアレンジとかエフェクト。

という感じです。ほかの出演者も、メイキング的にネタをさらすとおもしろいのでぜひおながいします。余力があれば、私もQuartz Composerでさっと作るソレ系演し物の作り方とか書いてみようとおもいます。

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