C5

機械というものは、ユーザの浮気を敏感にキャッチするもので、前のエグザンティアが当て逃げされたのも、おれが Xantia をうっかりクルマ屋の脇にとめてアルファロメオ156をでへへへへと眺めているときだった。
このマシンもそろそろリプレイスしましょうかと言ったとたん、目の前で Sony NEWS-1860 がマザーごと昇天したこともある。

C5の新型をみたり、ルノー・メガーヌを眺めてでれでれしているうちに、以前から調子のわるかった僕の C5 の AT (AL4) は、帰りにとうとうひどい状態になり、定期的にとめてエンジンをかけなおさないと、まともにシフトしないようになってしまった。

最初は、うわんうわん唸ってばかりでシフトアップせず、ごつんごつんとシフト失敗? 音が発生しており、それはマニュアルモードに切り替えてなんとかしのげたのだが、そのうちATも「俺、いまヤバいかも」と自己diagの結果フェイルセーフモードに入るらしく、しかし現象はなおらず、しかもフェイルセーフモード? だとマニュアルシフト機能がつかえない。

自宅に近づいたころには、信号待ちのあとは発進時に 1 2 3 4 速のうち任意のギアが選択されるようになっていて、床まで踏み込んだ 6000回転のエンジンのうなりをあげつつ、4速発進? の、赤ん坊のハイハイのような鋭敏な加速をみせつけて、後ろのタクシーをびびらせたりした。

内部の不揮発性メモリのゴミを飛ばせば直るような気もするのだが、いまのクルマはボンネットをあけても完全にカバーがされていて、バッテリ端子をはずすことすらままならない。困ったものだ。