江古田コンパ

ついに江古田コンパへ。以前からHさんと企画していたのだが、いろいろあってのびのびになっていた。

南口は池袋寄りの「のがた」で呑みつつ、後発組を待つ。江古田の女番長H野さんご推薦の店で、安くて家庭的で昭和っぽくて実にいい。
謎のクエン酸サワーを飲っていると面子もそろった。
映画や演劇や民族音楽やら、Digital PerformerとLogicの違いやら、男女の恋愛と遺伝子の話やら、今宵は練馬部新規開拓課サブカル担当という感じで、会心のメンツだ。

頃合をみて、店をでて、すぐそこの角まで10mほどあるき、本題の「江古田コンパ」へ。店の外を撮るのを忘れてしまったのだが、このへんのページを見ていただければよいと思う。街角に突如として昭和四十年代が出現している。新横浜ラーメン博物館や水天宮の某社さんの社内のようなレトロなディティールが、しかしガチだ。
白いギターを逆手に持った小林旭を追って、ドラムスティックを握った石原裕次郎がいまにも駆け下りてきそうな階段をのぼる。

昭和43年から四十年近くやっている店内は、ここちよい暗さと過ごしやすさ。
和やかで静かでおちついた楽しさの、おとながくつろげる空間だ。
さっそく、ベタだけど「江古田の夜」(こいつは70度オーバーなので弱いかたは注意)など、ご当地カクテルをいろいろ作っていただく。
おねだんも良心的。

そしてこのお店がたのしいのが、自分でいろいろ創作カクテルをオーダーして、自分で振っていただけることで、まずは元素周期表みたいなシートをもらい、ベースはこれで、そこにどれと何をアレンジしようかと、ああでもないこうでもないと、いろいろみんなで試す。これが実にたのしい。

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シェイカーの振り方はママにレクチャーいただける。とても冷たくていい気持ち。
僕は2作目か3作目に作った、アクアビットをベースにドラキュラ・ブラッド(生姜味のリキュール)、そしてライムを20ccずつ入れたやつが自分では気に入った。
このお店では、お客さんがそうして創ったオリジナルカクテルにどんどん自分で名前をつけて、優秀作は張り出して展示したり。と、ちょうどその最優秀作を作った常連さんが向かいの止まり木にちょうどいらして、いろいろ楽しくお話。
ほかにもいろいろ旨いカクテルがどんどんできたのだが、もうすっかりたのしくいい気分で酔っぱらってしまって、というかそんなものをいちいち頭で覚えようとする野暮な気分はもうなしだ。

みんなでお酒を調合して試してたのしむというのは実にたのしい大人のあそびで、けっこうベストメンバーでいったこともあり、すこぶる愉しい一夜を過ごした。うっかりしていると毎晩いってしまいそうだ。

というか、隣にあるあのオニギリ屋さんは、おじいさんとおばあさん二人でやっていて、しかも24時間営業だったのか!
僕が江古田にいたのは幼稚園から小学校の年頃で、あと高校のころは制服で安全に一服できる喫茶店がいくつかあるというのが重宝で、学校帰りに連日途中下車してだべっていたが、まだまだ江古田について何にもわかっちゃいなかった。