huluで視聴。
とても静かで渋く美しい映画だった。
とりあえず、A級映画かB級映画か… と暇つぶしのつもりで観はじめたところ、監督がアントン・コービンということで、座り直して鑑賞する。もちろん、U2やビヨークのPVの監督として有名な人。僕個人としては、Depeche ModeのPVやアート周りをかれこれ20年ぐらいやってきた人としてとても身近だ。
主演はジョージ・クルーニー。プロの殺し屋であり、映画のなかではプロの仕事のために専用の銃をカスタムする職人としての仕事がメインとなる。
さすがアントン・コービン、シーンの一枚一枚が、止め画でじっと鑑賞したくなるぐらい美しい。抑えめな色彩や構図。
邦題 (ラスト・ターゲット) やポスターを見ると、派手な殺し屋アクションがバンバンバンと展開する映画のように思えるが、そうではない。イタリアの片田舎を舞台とした、しっとりとした大人の映画だ。 そのぶん、少なめだがカッチリとしたアクションやメカの描写がエッセンスとして決まっている。フレデリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」の、あの冷静冷徹な主人公を画に落としたときの本来の味はこうじゃないか、と思えるものだ。ジンネマン作の「ジャッカルの日」は、本作の爪の垢を煎じて飲んだらいい。 リチャード・ギアとブルース・ウィリスが出ている「ジャッカル」のほうは、本作の爪の垢を煎じた熱湯をケツの穴から2リットルぐらい注入されるとよい。
原作。本作の主人公にとっての蝶は、「レオン」でいうと観葉植物かな。

- 作者: マーティンブース,Martin Booth,松本剛史
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/01/28
- メディア: 文庫
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