Evernote Legacyをしばらく使い続けることにする

Evernoteは2011年から有料コースで使い続けている。
データが蓄積されまくっており、なので検索もできまくり、なので毎日なんでも記録しづづけている。

しかし、最近の機能と品質の低下はいただけない。
この秋ぐらいから、ちょっとしんどい。

まず、Web版の仕様が非常にシンプルなものになった。
シンプルになったぶん、操作性が研ぎ澄まされたり、動作が速くなっていれば良いのだが、まだどちらも感じることはできない。大味なUI/UX、速度ももっさりしてしまっている。

僕はWeb版はほとんど使わないので、macOSとiOSのクライアントアプリがしっかりしていてくれればいいのだが、今回のリニューアルで、少なくともmacos版アプリはelectronベースになってしまった。つまりWeb版と同じモノだ。なので僕もWeb版の大味もっさりUI/UX改悪事故に巻き込まれている。

長年サービスを継続していると、ニーズの変化、当初の設計から見直したいところ、技術的負債の返却、いやむしろ負債の積み上げ、組織の変化、などなど、いろいろありましょう。そのうえで、electronベースにして、Web/iOS/macos/Windows/Androidなど全て基本同一のコードからアプリを出し分けたい、という判断も、わかります。とってもとってもわかりますよ。好意的に想像すると、今はいろんな改善に向けた変革の道のりの途中の成長痛なんだろうなと思う。痛さなしに成長できるのがベストだけどね。

とはいえ、毎日駆使する機能が消滅したのも痛いところで、たとえば、すぐ挙げられるところで

  • Shift-Command-Tでノートのタイトルに移動しなくなった
  • Shift-Command-Dで今日の日付を挿入するコマンドがノートタイトルで機能しなくなった
  • Shift-Command-Dで今日の日付を挿入する書式設定がなくなった
  • リッチテキスト編集操作の挙動がさらにイマイチになった
  • タブがなくなった
  • 同期をexplicitにかけられなくなった
  • 環境設定が消滅した

そもそも、過去に書いたノートを参照するという、Evernoteにとって基本のキの機能の動作が危うい。データが蓄積されたノートブックを開くとノート数が0だったり、Evernoteアプリを再起動したり時間を置いてみても改善されなかったり、むしろ同名のノートブックが増えていったり(すごくヤバそうな野生の勘がする)。もっとも大事な基本機能の動作が危ういのは、弁護できない。

サードパーティから上級者向けEvernoteアプリみたいなものが別途出てれば代替選択肢になるのだが、かつてはこの手のものがいくつかあったものの、現状ないし、あまり出そうな感じもしない。

利用台数制限などライセンスの制約が厳しくなったり、価格が上がっていることは、同社も商売だし、いきなり10倍の値上げとかでもないし、金払えば済む話ではある。僕もいい大人だ。よいものには金は払っていきたい。いい大人があれこれ課金避けの工夫など試行錯誤に時間と手間を浪費するほうがよっぽど損失だ。

しかし、お金の問題ではなく、機能と自由さと安定さが減っていくのは、とても厳しい。

Evernoteから何かに乗り換えるとしたら、何がいいのだろう?

OneNote

Evernoteからのデータ移行は可能だが若干手間がかかる。

なんといっても、仕様や機能が大仰すぎる。

最近のMicrosoft製品は設計も思想もオープンで軽くなってきていて好感を持っているが、OneNoteは残念ながら、何でも詰め込んで大きく重い、悪しきkitchen sink思想のOffice Suiteの一員だと思う。

何でもかんでも添付しリッチな構造やフォーマットで記録したいこともあるが、基本はplainにシンプルにサクサクとメモっていきたい。OneNoteはこういう思想ではなさそう。

Appleのメモ

メモ

メモ

  • Apple
  • 仕事効率化
  • 無料

かなり仕様もスッキリしており、動作も軽快、見た目ももちろん良好だ。ブラウザベースでiCloud.comで利用するぶんには、Apple製品以外からも利用できる。

Evernoteからのデータ移行は、できる。
ただ、全部一気にとはいかない。年末休みに時間をとってやっていく感じになるだろう。
いったん見送り。

Emacs org-mode

Emacs使って30年(NEmacs→Mule→Emacs)、今でも毎日使ってますし、この文章もまずはEmacsで書いてますけど、さすがに2020年にorg-modeを使い始めるほどストイックではないかな…

必要な場合はリッチな構造やフォーマットでも記録したいし、そういった既存データも数千件レベルで蓄積されており、これらをorg-modeに移行するのは難しそうだ。

あとなんと言っても、基本は自分ですべてメンテナンスというのが、もはやしんどい。自分でやるのも愉しいしオープンソース大好きだけど、「何なら金払ってプロの他人に任せる」アプローチを増やしていきたい。僕はもう53歳で、たぶん20年後にはそこそこの確率で死んでいるし、死んだあとの僕のデータを息子や娘や奥さんが扱えるのか、という課題は、そこそこ現実味のあるトピックだ。俺しかわからない技術的負債は最小であるべき。「プロが金で運用してくれてる」というのは、現実社会では一つの良いオープンのかたちだ。

Notion

結構よく出来ていると思います。

  • Evernoteからのimport機能は優秀。非常に速やかに漏れなくimportできたように見える。9000個のノートをストレスなく移行できた。感銘を受けました。
  • macOSアプリは、WebアプリをそのままElectronでデスクトップアプリにしている。これは新Evernoteと同じ構造だが、動作軽快。
  • 多機能
  • 余白を多く使うUX

そのうえで、移行は見送った。

自分としては、多機能なのは良いことだが、まずは基本はさらさら書ける軽いノートであってほしい。その点Notionのノート編集機能は、WordPress 5.0のGutenbergにとても良く似ていて、「まずはサクサク書く」ノリに乏しい。

WordPressはブログなどを扱うCMSだから、「コンテンツを着々と作っていく」ノリのUI/UXでもよいと思う。しかしEvernoteの類には、頭の中にある思考と、キーボードでのタイプが脊髄直結するぐらいの軽快さ、Evernoteを使ってることを意識しない・気づかないぐらいの軽さを自分は望みたい。「よーし、Notionに記入記録するぞ!」といちいち意識するようではツライ。数日間使ってみて、仮に慣れたとしてもこのハードルはある程度より下がらないなと感じたので、移行はしませんでした。

逆に、「よーし、記入記録するぞ!」という心持ちで問題ないのであれば、Notionは選択肢として結構おすすめできます。

Evernote Legacy

そんななかで、気づいたら、古いバージョンのEvernote appが提供されていました。
その名もEvernote Legacy!

2020/10中旬には提供開始されていたようだ。

すごい! まともに動く! www

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さて、このEvernote Legacyは、いつまで使えるのだろう?