IoTというキーワードにからんだ商品のひとつにスマート電球というものがある。明るさや色彩、自動動作などをスマホアプリやインターネット経由の操作で制御できる高機能な電球だ。時代の要請に応え、発光部分はみなLEDになっている。
すでに何社からも製品が出ている。PhilipsのHueがもっとも有名どころかな。他にはLGのTabu Lumen, 国産だとSatechiなどがある。
PHILIPS hue フィリップス LED スマート照明システム スターターパック iPhone iPadなどのスマホで明かりをカスタマイズ 【並行輸入品】
- 出版社/メーカー: Philips (フィリップス)
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【日本正規代理店品・保証付】Tabu Lumen スマートLED電球 Bluetooth SMART (Bluetooth 4.0) 対応 LDA6-E26-LUMEN
- 出版社/メーカー: Tabu
- 発売日: 2013/10/31
- メディア: エレクトロニクス
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ソニーはBluetoothスピーカー内蔵のスマート電球を出している。住まいに光をもたらすものが照明装置ならば、そいつが音楽をもたらしてくれてもいいじゃないか。照明とスピーカーは、装置と人との距離感も似ているし、頭上から音楽が降ってくるのも楽しい体験だろう。なかなかのアイディアなんだが、値段がちょっと高い。
そんなスマート電球にそろそろ手を出してみようかな、と思っていたところ、ilumiというメーカーのスマートバルブの新モデルがクラウドファンディングサイトkickstarterで出資を募っていたのを発見。
しばし考えて、白熱灯100W相当のLED電球であるモデルBR30を4個オーダー。想定小売価格が279.96 USDになる予定のところが、kickstarter経由で初期投資してやることで、194.00 USDで手に入る(うまくいけば)。他費用はShipping to Japanに35 USDかかる。Estimated deliveryはSep 2015とのこと。エイヤとプリオーダーした。2015/8初頭のこと。
その後ilumiからは、いかにもクラウドファンディングしたプロダクトらしく、ここまでできたよ! あと品質を高めてるぜ! すまん少しだけ遅れる! いま社内総出でshippingがんばってるぜ! などなど時折メールで現状報告が届き、そして出荷の知らせが付き、最終的にDHLのお姉さんが自宅のドアを叩いたのが2015/12/29. なんとか年内には届いた。DHLが入国時の関税を仮払いしておいてくれてたので、受け取り時に現金で支払う。二千円ほど。
ごそごそとダンボールを開封。おお、いい感じ
紙箱も質がよいもので、アンパックの楽しみの良さある。
合計4個出てきた!
さて、居間のペンダントライト4発の電球を、このilumi BR30に交換していく。
その前に、ilumiはスマホからコントロールしてこそ価値があるものなので、対応アプリをインストールして準備しておく。Android用アプリも用意されているが、今回使ったのはiOS版アプリ。現在はiOS向けのアプリはiPhone用しかないようだ。もちろんiPadでも動作する。なので、アプリは家族全員で使っているiPadにインストールして使うことにする。
ilumiの電球は、ひとつひとつが個別のBluetoothデバイス。最初は1個ずつソケットに挿してはiPadからペアリングをかけていたが、最後の2個は一度に装着し点灯させてやった。こうして複数のilumiを未設定状態で電源投入すると、1個ずつ異なった色で光りだす。個々の個体を識別するための仮の色だ。
アプリ側でSet Up画面にいくと、新規ilumiがそれぞれの仮の色でぷよぷよ揺れながらiPad画面に登場する。
ここでは「居間」と名付けたグループに残りの2個をdrag & dropで放り込んでやる。
セットアップは基本これで終わり。
こいつは基本は「電球」なので、電源を入れれば適切な明るさと色温度で点灯するし、電源を切れば、消灯する。当たり前だが、まずは普通の電球としても振る舞ってくれないと不便だ。
ここからはilumiらしい機能を試してみる。色と明るさの組み合わせをScenesとしていくつでも定義できる。まずは「全力煌々」という名前で、4つとも色温度高めの少し青みがかりで、明度最高。
次は、少し色温度低めの設定を「柔らか明るい」という名前で保存。
さらに「眠く抑えめ」という名前で、さらに色温度おさえめのやつ。
…写真じゃ違いがさっぱりわかりませんね。すいません。
次はExperiencesという一連のプラグイン的機能を試す。もうちょい凝った動きの設定が集まっており、たとえばMusic Syncというものは、スマホに入っている音楽を鳴らしつつ、音楽ジャンルに合わせた光のパフォーマンスをしてくれる。まずはRave!
続いてSamba!
うーん、微妙? w
ジャンルはBlues, Calm, Disco, Rave, Samba, SlowDanceから選べるが、どれも照明的に割とイケイケで、SlowDanceは名前の割にはチーク感がなくアガったままだし、Calmはちっともcalmじゃない。まぁここは洒落で。ちなみにMusic Syncとはいうもの、別に音声に同期しているわけではないようだ。
Rise & Shineというのは、指定した時刻&曜日に、世界各地のステキな夜明けをシミュレートして一日を始めてみませんか。という機能。選べる夜明けのテーマにはAtlantis, Barcelona, Denver, Fiji, Maui, Rio, Veniceがあり、デフォルトだと10分間かけて「夜明け」してくれる。
Vacation機能は、要するに「居留守」だ。何日から何日まで家を空けてるよ、と指定すると、その間、適当に生活感ある感じで照明が強まったり弱まったりしてくれるようだ。これは割と実用的かもね。
Scene Schedulerは、上で説明したSceneを、指定した曜日と時刻に切り替えてくれるもの。好きな数だけ設定できる。我が家では、夜中になってくると徐々に明度と色温度が下がり、そろそろ寝る空気だよね、眠い雰囲気になってきたよね、という流れになるよう設定してある。
あとは、なんか体のリズムに理想的な24時間の照明を創りだすというCircadian, スマホを持って接近すると自動点灯し、遠ざかると自動消灯というTorch, スマホを振るだけで点けたり消したりできるShake, 果てには各色パカパカを覚えてスマホで押すという、あのSimonゲームまである。このへんは機能のデモに近いお遊びだ。
ilumiをコントロールできるスマホは、まずはBluetoothペアリングしたその端末(親端末としよう)だが、他の端末や家族みんなで使う場合は、親端末のアカウントに子アカウントとして乗り入れる、あるいはinviteしてもらうことができる。親子関係が樹立できたら、子端末からも自由にilumiをコントロールできるし、その際、親端末が生きている必要もない。ゆるめの仕様で、たぶんこれで正解だ。
なお、スマホアプリはあくまでもilumiに設定を送り込むためだけのもので、一度ilumiが設定や自動運転のスケジュールを覚えたら、以降の動作にスマホは必要ない。これも実用的でよろしい。
ilumiのスマホアプリは、ちかぢかメジャーアップデートをする予定のようで、どんな機能追加がされるか楽しみだ。個人的には、毎時正時 (XX時00分) に軽く光が変化して、時報をゆるめに知らせてくれる機能がほしい。
電球そのものはLED電球ですから、通常時は1〜数W程度しか電気を食わず、寿命は最大20年(と書いてある)。ちょっとお高いけど、長い目で見たら悪くないんじゃないだろうか。みなさんもぜひお試しあれ。