Music for 18 Musiciansというと、スティーブ・ライヒのミニマル・ミュージックの代表作のひとつだ。14パートからなる組曲であり、管弦楽がずっと気持ちよくミニマルしてくれる1時間。先日qiitaにも書いたとおり、集中のための音楽としても最強のものだ。
Steve Reich, "Music for 18 Musicians" - FULL PERFORMANCE with eighth blackbird
これをBGMに使いたいとき、いちいちYouTubeで再生してもいいけれど、これはもうメガネや文房具や空調のようなものなので、いつでも手元に置いておきたい。とすると、いくつか演奏バリエーションのあるこの組曲のどれを手に入れるべきか迷う。
毎回「どれがいいかな」と探すのも楽しいけど、集中モードに入るための儀式としては、それはあまり良くない。万年筆のように、良いモノをひとつ選び出し、持っていたい。
純正と言えるのはSteve Reich Ensembleによる一枚だ。
iTunes版は14楽章に分かれた構成になっているが、
amazonのmp3ストアにあるものは、全部まとめて56分9秒の単一のmp3ファイルという骨太な構成になっている。ちなみに107.1MBね。
この純正版も良いのだが、いろいろ聴き比べてお勧めなのは、Bill RyanとGrand Valley State University New Music Ensembleによるもの。全演奏時間は62分なので、少しだけテンポはゆるい。しかし音と演奏のみずみずしさは抜群だ。音が気持ちよく立って、入ってくる。脳への至高のマッサージだ。
ちなみにReich Remixedに入ってるMusic for 18 Musiciansも持ってるけど、ぐっと「つまらない」のでお勧めしない。僕はクラフトワークを聴き始めて30年の、筋金入りの電気音楽ずきだけれど、Music for 18 Musiciansは生身の18名の人間たちが生楽器で一生懸命に精密に1時間演奏していく知的緊張感こそが味わいなので、きっちりデジタルに再構成しちゃうと、まさに「そのへんのポンチ・エレクトロ」になってしまうのであった。それをやるなら、また別の音色やリズムのツボがあるわけで。
というわけで、こんなエントリから、みなさんあけましておめでとうございます。