mixi innovation center blogにも書いたのですが、NTT武蔵野研究開発センタで開催されていたNTT R&Dフォーラム2016に行ってきました。
発表内容もさることながら、武蔵野研究開発センタには一度行ってみたかったのです。大学時代は毎日クルマで脇を通っていましたし、八王子勤務時代も同じく毎日通り過ぎました。日本の技術の歴史と最先端が、実は静かに潜むところですよね。
そして、何よりも来てみたかったのがここ、NTT技術史料館。
まさに電電公社時代からの、日本の技術の一面が蓄積されたところです。
1Fエントランスは、みんなにわかりやすいイコンたち。
関東大震災から43年間、銀座にずっと立ち続けていた電信柱。
(撮影およびブログ, facebook pageへの掲載はNTT技術史料館ご担当の許諾を得ています)
むかーしの電話ボックス。さすがにこのモデルだと、俺が幼稚園のころでもあったかどうか、というぐらい。むしろ田舎のローカル線風味の鉄道模型レイアウトにありがちなシーナリーという印象。青電話のほうは、かすかに記憶にあります。
おなじく、昔の磁石式手動交換機を、さらっと。
さて、B1Fに降りていきます。ここからが歴史のはじまり。電信電話ことはじめ。
グラハム・ベルの電話機をコピーして作られた、国産第一号電話機。
電話ケーブル。
写真電送。FAXのご先祖。
最初の国産自動交換機。戦時下にローンチしたらしいです。かっこいい…
そして戦後へと…
黒電話、そしてプッシュホン。
プッシュホンって、ピポパとDTMFを送ることで電電公社から各種サービスが提供されていたんですよ。電卓みたいに計算してくれるサービスとか。いま考えると、Google検索に 1+2 とか投入すると計算してくれるのがこれの後継みたいなもんか。
長距離手動同時接続機。
クロスバスイッチ。電電公社/NTTだから基本的に音引きはないですね。この敷地だってNTT武蔵野研究開発センタだし。「センター」だったらなんか間が抜けて聞こえる。
PBX
テレックス。
ロストフューチャでかっこいいなぁ。
そしてG3 TIFFファクシミリ。
きました。むかーしの無骨なポケベル。
移動体通信! 自動車電話!
そしてディジタル交換機。
でかいです。しびれます。血と汗の結晶的。
十年前にサンノゼのComputer History Museumに行ったときは一生ものの良さでしたが、ほら、東京都下にもこんな素敵なところが。
すこし時代は戻って、今度は技術というより運用についての流れに変わります。
茶色くなった台帳が、戦前の電話加入簿。言うなればマスタデータベースです。
そして、公衆回線をメンテする器具たち。
交換機の内部の修復工具。
単位障害記録器。言うなればBug Ticketing Systemですな。というかまさにチケット。
テスト用電話機、ラッピング機材。デバッガですな。
地中や海底の光ファイバ。
こういうので、がりがり地中を掘削していくわけですわ。しびれます。
そして、徐々にIPな世界へ。
最初の日米間TCP/IP接続実験に用いられたCiscoルータ。ほとんどCisco初号機。しびれる!! 例のCiscoの模様が、まだほっとんどゴールデン・ゲート・ブリッジそのまんまです。San JoseのComputer History Musiumにもあったよこれ、これ!
「NTTホームページ」でございます。何もかもみな懐かしい。
みんな、NCSA Mosaicに日本語パッチ当てて手でmakeしたら、これ見に行ったよね。
いまはNTTはまたntt.jpドメインを所有していますが
(webコンテンツ提供には使ってない様子)
むかしはjp直下のドメインってntt.jp, nttdata.jp, そしてkek.jpしかなくて。
それはドメインの階層構造のキメができるまえに早い者勝ちで決まったもので。
それが「ずるーい!」ってことになって、NTTとNTTデータはいったんドメインをJPNICに返却し、そして取りなおしたものだったりします。
なんて話も、もはやアラフィフ以上じゃないとわからない世界に突入してきている。
ところで、当時はまだCSSもtableもなかったけど、この2カラムレイアウトは、どうやってたんだっけな。tableを解釈するNetscape Navigatorでだけこう見えたんだっけ。
NCSA Mosaic.
ウインドウマネージャから見るに、SGI IRIX 4.xと4Dwmかな。fvwmかもしれない。
Juniper!!
Cisco 4000!!
うああぁ、この安っぽいラックの、したーのほうにざっくり置かれた「リセット君」の感じ! まさにNTT局舎、データセンタな香りがむんむんと漂う。
タイガース仕様のONUだって。
CAPTAIN!!!
そしてmova, ショルダーホンと、徐々にケータイな時代に突入してきます。
大容量アナログ!
真っ黒いムーバでずっと電話してるとなんとなく頭が痛くなったり、ペースメーカー埋めてる人の隣で携帯つけっぱなしにしてると本当に良くなかったころのやーつですね。
PDC!
W-CDMA (IMT-2000) !!
その名もFOMA!
最初のサービス地域は東京都は国道17号の東側だけ!
NTTパーソナル!
誇らしげな32のロゴが泣かせるじゃないか…
と、いうわけで、地下1階地上3階、たっぷり楽しめます。
せっかく東京にあるし、平日の時間と曜日は限られるけど一般公開もしてるんだから、行かないともったいないよ。
おみやげにいただいたカード式公衆電話機。のペーパークラフト。
テスト勉強中の娘さんを邪魔して、与えて、作ってみてもらいました。
10円玉が、でかい!