Lust / Ambitious Lovers

Arto LindsayのユニットAmbitious Loversの3枚目にしてラスト・アルバム。

1stのEnvyは、チープな音とロック・ヒップホップ・ブラジルの合わせ技に神を感じる瞬間がぴしぴしと現れて。Let's be Adultなんか、ヤマハのいっちゃん安い4オペのFM音源シンセと、ヤマハのいっちゃん安いPCM音源のドラムマシンと、ほぼそんだけで構成されていて、それはもういまなら場末のハードオフで合計3,000円ぐらいで購入できてしまえそうな勢いなのだが、なのに音のスキマとファンクが地球最強にかっこいいという。

2ndのGreedは、ボッサ、ジャズ、ロック、オルタナティブ、これらのミクスチャーが本気で太陽系最強です。Copy Meのalternativeなfunkさ,さらにLove Overlapのカッティングのかっこよさ!Caso, Para Nao Contrariar Voce のけだるいブラジリアン・テイスト,Omotesando, Steel Woolみたいなジョン・ゾーンぎみなパーカッション音響実験,でも全体として汗臭くなく奇妙な冷静さもあるという(ちょっとA Certain Ratioの「汗のかかなさ」と似てる),僕のいままで聴いたアルバムのベスト20, いやベスト12ぐらいに入る名盤中の名盤中の名盤です。

で、そうやって「七つの大罪」シリーズをだしてきたAmbitious Loversの、実は最後の一枚になっちゃった3rdのLustがこれ。

Tuck It Inのファンクもかなりかっこいいんですが、これまでの作品群をさらに超えて太陽系外延部まで行くかとおもいきや、うーん、火星軌道にいくかいかないかぐらいです。
というか、かなり全体的に落ち着いちゃってます。

いい一枚なんですよ。良いんですが。
たぶんこの人たちって、というかアート・リンゼイって、予算とか制作期間とか制作機材が満たされてくるとかえってつまんなくなっちゃうタイプなのかもしれない。
音楽って、そういうことあるよね。いや、Webサイトとかサービスとか会社でもあるかも。