さすがPixar作品らしく、充分おもしろかった。
テーマのひとつは、まぁエコロジーだが、ベタな社会批判につなげるような下世話なことはなく、単なる前提、基調低音として流れるだけなので、うざくてオェッとなることはない。
画の表現がやっぱり素晴らしい。
ストーリーは非常にシンプルで、いままで見たPixar作品のなかではいちばん単純だったかも。「お話の味わい」の点では、同社のショートムービー Geri's Game のほうが濃かったかもしれない。
エンドロールは、おそらくその後の地球の大地の主権の復活といったものを、いろんな画家の画風に似せ、Peter Gabrielの主題歌にのせて描いた静止画ベースのシーケンスで、心にきたという意味ではここがいちばん感銘をうけた。ピーガブの歌声がまたどんぴしゃりなんだこれが。
エンドロールは、最後の2秒ぐらいがスパイスの効いたネタになってるので、くれぐれもあわてて席をたたぬよう。
森だ空気だ自然だエコだみたいな阿呆なプロパガンダの羅列よりも、こういううまい一撃のほうが、よっぽど大量消費文化への再考をつついてくれるのだ。