世界の駄っ作機 / 岡部 ださく

文林堂の「世界の傑作機」という雑誌というか薄型ムックみたいなものがあって、各種軍用機を一機種一冊で取り上げていた。昔から歴史のあるもので、求めやすく便利で、僕も高校のころまでは、スケールモデラーとして当然のように本棚のまるまる横一列を「世傑」が占めていた。

この「世界の駄っ作機」は、あからさまにその「せけつ」をパクったタイトルで、というかまずここにピンときてニヤリとする向きでないと、読んでもさっぱり面白くないだろう。

巻頭文でイギリスの飛行機評論家が、なんで英国軍用機ばっかネタにするんだと半分冗談半分マジで怒っているが、やはり英国の不気味デザイン(見た目も設計も)は駄作機の花園だ。宮崎駿、押井守といったその筋の強者たちとの対談、寄稿もぴたりとはまっている。中級以上の飛行機オタクにはかなりのおすすめ。
「岡部ださく」は、飛行機・軍事・メカ評論家の岡部いさく氏の、このシリーズ専用のペンネーム。