GORILLA / 夏木マリ

GORILLA同じく夏木マリの、これはわりと最近のアルバム。全曲が小西康陽プロデュース。歌うまい。ジャズにボサノヴァ、シャンソンと、けだるい大人感満点。ジェームス・テイラー菊地成孔などメンツもすごい。出色なのは叙情的で文学的な「ゴリラ」。
ほかの曲もよいけど、曲も歌詞もコードもみんなもろに小西康陽節で、これはピチカート・ファイヴの確信犯的な「ボクらは消費される音楽を作ってるんだよね、えへへ」というスキームだとむしろこれが小気味よいのだけれど、生っぽい音楽の場合は、そのいたずら性の光がちょっと薄れる気がする。もっとラフ・ラグに崩してあればよかったのかもしれない。

「私について」はもともと Pizzicato Five の曲だけど、「戦争に反対する唯一の手段は。〜ピチカート・ファイヴのうたとことば〜」(これもなかなかの名盤)にも同じく夏木マリ歌うライブ版が入っていて、こっちもとても良いです。