ロストブレット 窮地のカーチェイス

TAXiとマッドマックスを足して4で割ったようなフランス映画。
撮影も役者も渋いというか地味です。

主人公は屈強実直、仁義に堅くて強い。でもって改造や溶接に強いクルマの整備士。
敵役の、裏で麻薬商売やってる悪徳警官が、顔付きや無精髭や言動など微妙に「レオン」のスタンスフィールドっぽいです、やっぱり。エンディング近くで手榴弾持ち出してきたので、この人も爆死してくれるのかと思ったけど、ゲイリー・オールドマンみたいにはいかなかった。 ストーリーも、一本道ではありつつ細かいツメが雑で微妙。

この映画の美点は、マルセイユあたり? のフランスの、割とカーアクション推しの一本であること。特に、ルノー21ターボという、好きな人は好きないぶし銀の旧車・名車が下手すると主演の役者以上に主人公を張っていること。もうね、寡黙で強い主人公の男が操る、赤くて四角いヴァンテアン・ターボががんばって路上で戦ってるシーンたち。要所要所で直4縦置2リッターターボのブローオフバルブの「プッシャアー」をちゃんと観客に聴かせてくれる。たまりません。

コイツで… アンタの仇は、とってやる…
的な、男の仁義が胸アツ系のシーン
80年代のルノーの、このメーターコンソールのプラスチッキーで屋根が飛び出してきてしっかくい眺め、5から25まで当時みんなおんなじ。自分も免許取って最初がSuper 5だったので、青春ど真ん中です。

パトカーとのバトル。プッシャア感満点。モンデオなんざブチ殺せ!
こんなに四角かっこいいクルマ、DR30鉄仮面スカイラインと東西両雄じゃないかしら。
もし(編集で)ドッカンターボ性がマシマシになってたら、確実に鼻血も出てました。

待ち受けるパトカーにそこそこLaguna IIが出てくるのもすごく俺得。1台まえの愛車だったので。 地味だけどきれいだけどヘンなスタイルが実によかった。街で見かけたのは10年に1回ぐらいだった。FBM会場ですら他に1台しかいなかった。

なのでこれは、古めのフランス車ずきのオジサンが、まるでアダルトビデオを観るように、21 Turboのプッシャァーなシーンだけ飛ばし飛ばし鑑賞する。そんなスタイルでぴったりな一本かもしれません。 つまりこれは「ヴァンティアン・ターボ ポルノ」です。ここにピンと来る人にはお勧めだし、ピンと来なかったら、スルーでいいかも。ピンと来る人は、うーん、国内に15人ぐらいはいるかなぁ。


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