結論、最高でした。
まだ、あした2020/1/12の公演もあるので、迷ってるかたがもしいれば、ぜひ行ったほうがいい。
僕がはじめてA Certain Ratioを聴いたのは坂本龍一のNHK-FMサウンドストリートなのだが、それは1982/2/16のことであるらしい。38年まえだ。おそろしい。
ここでかかったのはWaterlineで、ファンクで、しかしジョイ・ディヴィジョンのように暗く、リゲティのようにひややかに冷静で、最後は穏やかめのメルツバウかっていう電子音の洪水で終わるこの曲の中毒性にすっかりやられた。
ともあれ、気づくとそれから38年経っており、当時中3だった僕は自分の子どもたちが就活という年になり、ACRも結成40周年記念ということで、ついに来日、これは万難を排していかねば。
とはいえ、「いちおう、見ておくか」「記念」という気持ちも確かにありました。
数年前のVisage来日はまさにそういうやつだったし、しばらくしてスティーヴ・ストレンジ死んじゃったしね…
でも、全然そういうのじゃなかったです。
おとなしく円熟〜 とかでもありません。
現役というか、これは、いままさに現在形の、クールでファンクでグルーヴィーでかっこいいア・サーティン・レイシオそのものでした。
Jeremy Kerrの、あのベース。シャープで、ファンクで、しかし特定帯域をスパっと切って冷ややかな、あれだよ! これだよ! いま目の前に本物がナマでいる!
Martin Moscropの、謎の不気味な音響系なギター、あるいはシャキシャキでファンクでむっちゃかっこいいカッティング、同じく音響っぽいヘンな不気味トランペット。
Donald Johnsonの、むっちゃ音数が多いのではないけれど、崩れすぎずファンクでキマるドラム。
あのベース、あのドラム、あのギター、あのペット。
俺が俺がの超絶技巧演奏芸人というタイプではないけれど、彼らが集まってアンサンブルすると、どうにもこうにも、あのACRだ! あのグルーヴだ! これだ、これだよ!
40年間やってきた、という栄誉や歴史や年齢のことはもはやどうでもよく、単に、通ぞ知る、むちゃくちゃファンクでグルーヴでかっこいい音のバンドそのものだった。
セットリストはこちらです。
Waterline, Lucinda, Wild Partyあたりも聴きたかったな、アンコール1曲めがSounds Like Something Dirtyだったら最高だったな、とかわがままはさておき、満足のセトリでした。
Forced Laughの、というか全体にMartinのトランペットにはもっと厚く音響系ヘンテコエフェクトが掛かっててもよかったな。Jeremyの声もね。
でも、Good Togetherは606っぽいシンセベース含め完全手弾きで、意外なことに、あれを人力でやるとこういうファンクとグルーヴになるのかと、想定外の大満足でした。そして、あの「びっ びよー」から若干インプロみたくなって、アンコール前ラストのShack Upになだれこむ。Shinjuku Marzはそう広い箱ではなく、オーディエンスは全員で高校の2クラスぶんぐらいでしたが、全員でブチ上がりながらShack Up! こんな満足があるでしょうか。
シンベはRoland SH-101もといBehringer MS-101の赤で、ばんばん演奏しながらがんがんフィルタいじりまくりで、大満足。キーボードはあとはNord StageとRoland Jupiter-80の合計3つ。というか、きょうの午後、原宿のFive-Gいってたみたいだねw
Music Non Stop...#ACRTOKYO pic.twitter.com/DkmAmLwbuE
— A Certain Ratio (@acrmcr) 2020年1月11日
アンコールナンバーは、まずベースをDoJo, ドラムをMartinと交代してKnife Slits Water.
最後にアルバムForceのラストのやつ(Si Firmo O Grido)で全員でラテンな祭りになって大団円。
ああよかった。
行けるなら行っといたほうがいいよ。