意識の向上に向けた本。
この手のジャンルの本は「ああ、はいはい……」という印象を持ってしまいがち
(こういう、反射的に発生する、ときにネガティブな内心の言葉が、まさにこの本でいう「セルフトークA」)
なのですが、この本はとても論理的な内容。かなり良かった。結構おすすめ。
いろいろ手元にメモしたものを抜粋。
- セルフトーク: 感情・行動の引き金として自分の中に生まれる言葉
- 各自の価値観、世界観がビリーフ (belief)
- ビリーフが刺激 (stimulus) を受けるとセルフトークが生まれる
- セルフトークは感情を決定する
- 感情によって行動が決定する
- セルフトークA (automatic): 刺激によって自動的に生まれちゃう。感情を呼び起こす。反応な行動を導く。
- セルフトークB (bear): 自分の意思で生み出す。理性を呼び起こす。対応な行動を導く。
いわゆる「天使と悪魔」的な感じ?
doubtの語源はdouble heart
心が2つある状態の時(セルフトークA, Bが競っているとき) 人は疑う
セルフトークAを減らすには?
- 心と体を整える
- ルーチンを作って守る
- アイデンティティを正しく理解する
- 自分を守るのではなく相手のことを考える
- 期待しない
- 他人に貼ったレッテルを剥がす
- 未完了を減らす
- 感情をジャッジしない
たとえば講演の前には、セルフトークBを使い、開演5分前までシミュレーション。5分前になったらシミュレーションは止めて、セルフトークを減らすことに注力。Fear into power (恐れを力に)
セルフトークがなくなると、ゾーンやフロー状態に入れる。
ポイントは、時間の縛りをなくし、プロセス自体を楽しみ目的とすること。
インナーゲーム: コーチングの始祖 W.ティモシー・ガルウェイが提唱した概念。
実際にテニスとか勝負してるアウターゲームに対し、心の中で起きている勝負。
セルフ1
インナーゲームにおいて、すなわち心の中で、自分(セルフ2)に対して悪態をついているのがセルフ1である。セルフ1は、常にセルフ2の能力を信頼しておらず、命令を下す。そして結果に対して裁判をし、「判決」を下してセルフ2を非難をする。このようなセルフ1の働きは、セルフ2の働きを著しく妨害している。しかしセルフ1自体は何も実行することがない。セルフ1による妨害に気づいて、これを自ら非難したり、自ら阻止しようとしても、それもまた自らに対する非難であり、セルフ1に他ならないため、かえってセルフ1の勢力を増長させることになるため、きわめて厄介である。セルフ2
インナーゲームにおいて、すなわち心の中で、セルフ1によって非難されている側がセルフ2である。セルフ2は無意識的あるいは潜在的な身体能力をすべて含んでおり、実際の運動機能を司っているとされる。セルフ1はつねに言語によってセルフ2に命令を下すが、実際にセルフ2が果たしている機能は常にもっと複雑であり、セルフ2はセルフ1による言語命令をうまく理解できないため、常にこの命令は不本意な結果に終わりがちである。その結果に対して、セルフ1はセルフ2をさらに非難し、次なるより厳しい命令を下す、という悪循環に陥る。