邦題「磁界」。ジャン・ミッシェル・ジャールの1981年作品。
「シンセサイザー音楽」というジャンルがまだ生き残っていたころの、末裔。ある意味、最良のテクノ。
電気製品やコンピューターを、ふたをあけてみたり通気口に鼻を寄せてみたりして、真新しいプリント基盤の香りを嗅いだときの、あの、プラスチックで電気なにおい。
ストリングスやリードの矩形波は爽やかでみずみずしく、シーケンス・ベースの矩形波はきちんとビリっとくる。
またこのアルバムはFairlight CMIの最初期の活用例でもあり、インダストリアル・ノイズのループだの、鉄道やジェット機のサンプルだのが、またこう8bitな軽めの音質とともに繰り広げられていて、これがまた良い。たぶんこのころ僕はまだ中学生で、YMOだのクラフトワークだのを聴き始めたころ。この一枚にもすっかりやられてしまった。
またこの人は、独自のコード進行というものをきちんと持っていて、待ってました&キター感が胃の奥や鳩尾にずしんと来るのも良い。
やっぱし名盤。
でもジャケットは相変わらずナルちゃん。知らなかったが、シャルロット・ランプリングと離婚してたのか。でもまたなんか女優とくっついてるみたい。親子二代(親父は映画音楽家のモーリス・ジャール)にわたってイケメンの女たらしのようで、しょうがないね。