仕事で使っているWindowsマシンが日本語109キーボードのままで、こんなものでまともに文字を綴れるはずもなく、ほとほと生活に困っていたのだが、ようやっとUS配列のキーボードを個人的に買ってきて取り替えた。
僕がキーボードに求めるのは、1の左が ` で、ごく普通に Shift+1 を押したら ! で、Shift+2 を押したら @ で、p の右が [ でその右が ] という、地球に暮らす人類としてごくごく普通のキーボードレイアウト。それだけである。
できれば、Returnは横長のほうが好きで、縦に二列じゃないほうが好き。バックスラッシュが冷遇されては困る。ControlはAの左か、ないしは左下でも構わないがその場合は一番左下であること。むろんスペースは普通にスペースバーであるべきで、特定アジア向けの漢字変換用の奇妙な腫瘍はもちろん要らない。
というごく普通のニーズを満たしたいだけなのだが、なんか電気店とかいっても、あたりまえのキーボードを買うのに苦労する時代になってきた。吉祥寺のヨドバシカメラで調べたが、HHK使うほどストイックじゃないです。Windowsで使うので、いわゆるFunction Keyも物理的にほしい。脊髄でぱっとAlt-F4とか Win-D とか打ちたいですよね。値段もちょっと高いし。
オウルテックがいくつかUS配列のキーボードを二千円台という求めやすい価格でだしているのだが、残念ながらReturnキーが縦長で、BackslashやBackspaceが冷遇されてしまっている。惜しい…
結局、FILCOのMajestouch Linearというのを買ってきた。配列はどんぴしゃり、これです。7千円台と結構高かったのだが、たしかに打鍵の感じは相当良い。いにしえのSun Type4を薄味にしてアクを抜いたというか、Apple PowerBook, MacBook Proよりしっとりしてるといった感じか。
しかし、吉祥寺ヨドバシという、キーボード売り場だけで廊下ひとつぶんあるような店ですら、「まともな配列」で一万円以下のキーボードがただひとつこれしか無かった。ちょっと正気な状況とは思えない。
これでやっと人類の生活になってきた。日本国憲法に「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由、幸福追求、およびキーボードレイアウトに対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」とあり、そもそもバージニア権利章典やジャック・ルソーの社会契約論、ひるがえってジョン・ロックの著作においても、人類が打つキーボードはUSレイアウトであるべし、と古今の思想家が述べているのは周知のとおりである。
今まで買ったキーボードでいちばんよかったのは、なんの変哲もないIBM 104 Keyboardってやつです。このページで紹介されているもの。本当にごくフツーです。キータッチも悪くないし、デザインもフツーで悪くないし、いちばんいいのは値段が安い。たしか1996年ごろにロスのCompUSAかどこかで、10USDぐらいで、スーパーの洗剤や卵のごとく桶に山積みになっていて、これはいいと5本ほど買ってストックして愛用していました。そうです。たかがキーボード、千円でいいんです当たり前です。
まだ3本ぐらい生き残っていたと思っていたけど、そういえば前の会社のマシンルームに全部置いてきちゃったな…