KORG Kaptivatorのバックアップ機構

KORG Kaptivatorというのは、サンプリングしておいた大量の細切れビデオを縦横無尽にミックスしたりエフェクトかけたり、外部からのオーディオ信号のビートを拾って画を同期させたり、MIDIであれこれいじったりできるVJギアで、こういうものが一般におりてきたのはなかなかいかす。つっても二十数万しますが。

こいつのバックアップ/リストア機構がなかなかおもしろい。パフォーマンスデータはMIDIバルク・ダンプ(MIDIには、音を鳴らすだの音を切り替えるだのといった信号・パケット同様に、MIDI信号の種別ヘッダ以降をデータのペイロードに使って、任意のバイナリデータを送受信したり、送受信待機・データ送信依頼するプロトコルも含まれている)でできるのだが、肝心の動画群をどうするかというと。

MIDIはもともと9600bpsのRS-232C規格のうえに生まれたものなので、そんなものの上で動画像のやりとりなんぞしていると、バックアップする前にベトナム戦争が終わっちまう。

そこで、DV出力から動画をベタっとバックアップする。つまり、バックアップモードにしたKaptivatorのDV出力をDVカメラとかで録画すると、それがバックアップになる。
さらに、それぞれの動画チャンクのあいだに、この動画は何秒でメモリーの何番で、再生モードはどれで定義してあるBPMは何、といった属性を表現した静止画がはさみこまれるようになっている。
リストアするときは、このDVテープを再生し、リストアモードにしたKaptivatorのDV inにその再生動画をぶっこむ。すると、ときおりはさまれる静止画が自動認識され解釈され、適切なメモリに動画ストリームが配置されていくわけだ。
そのグレイスケールの画面が、なんともテクノで、いかすものなのだ。