父に iPhoto を見せていてまた思い出した作品。
1993年ごろのCD-ROM作品。
当時 CD-ROM はまだまだ新しいメディアで、OSとかプログラムソースを入れるもの?Laser 5 がまだ北池袋のマンションでCD-ROM ショップをやっていたころ。
部署のひとがUSでこの作品を見て、みな衝撃と感激で落涙して帰ってきたという。内容は、作者である写真家の Pedro Mayer 氏が、末期癌におかされた自分の父、自宅療養でそれを介護する母、その老いた両親の記録を、ただ淡々とモノクローム写真と Mayer 氏の静かなナレーションで綴るというもの。
まだ CD-ROM ドライブが 20万とかしたころ、USではGNUソフトウェアを全部入れたCDがあるんだってよ、へーもう京都大学のテープ回覧の時代じゃねえなぁーとか、CD-ROMはデータを入れるもの。という用途しか判ってなかったときに、I Photograph to Remember の、音楽とナレーションと写真を見せるCD-ROM、文学というかドキュメンタリというか私小説というか、小津安二郎な世界をCD-ROMに作ってもいいんだ、という衝撃は、目から鱗 5枚ぐらいはあった。

I Photograph to Remember/Cd-Rom Windows
- 作者: Pedro Meyer
- 出版社/メーカー: Voyager Co
- 発売日: 1994/12
- メディア: ハードカバー
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だいたい I Photograph to Remember というタイトル自体が、見ているだけで涙がじんわりしてしまうようなすばらしさだ。
久しぶりに思い出して、amazonではどこも売り切れかーと思っていたら、なんとWebで公開されていた。
そういえば、父が癌確定したときとか、何度かの入院のタイミングとか、その度にいつも「オレも I Photograph to Remember なチャンス!」とか頭に浮んでいたことに気づく。まぁ人生あらゆるネタにすることしか基本的に考えていないな…