父にiPhotoを見せていてまた思い出した作品。
1993年ごろのCD-ROM作品。
当時CD-ROMはまだまだ新しいメディアで、OSとかプログラムソースを入れるもの?Laser 5 がまだ北池袋のマンションでCD-ROMショップをやっていたころ。
部署のひとがUSでこの作品を見て、みな衝撃と感激で落涙して帰ってきたという。内容は、作者である写真家のPedro Mayer氏が、末期癌におかされた自分の父、自宅療養でそれを介護する母、その老いた両親の記録を、ただ淡々とモノクローム写真とMayer氏の静かなナレーションで綴るというもの。
まだ CD-ROMドライブが20万とかしたころ、USではGNUソフトウェアを全部入れたCDがあるんだってよ、へーもう京都大学のテープ回覧の時代じゃねえなぁーとか、CD-ROMはデータを入れるもの。という用途しか判ってなかったときに、I Photograph to Rememberの、音楽とナレーションと写真を見せるCD-ROM、文学というかドキュメンタリというか私小説というか、小津安二郎な世界をCD-ROMに作ってもいいんだ、という衝撃は、目から鱗5枚ぐらいはあった。
だいたいI Photograph to Rememberというタイトル自体が、見ているだけで涙がじんわりしてしまうようなすばらしさだ。
久しぶりに思い出して、amazonではどこも売り切れかーと思っていたら、なんとWebで公開されていた。
そういえば、父が癌確定したときとか、何度かの入院のタイミングとか、その度にいつも「オレもI Photograph to Rememberなチャンス!」とか頭に浮んでいたことに気づく。まぁ人生あらゆるネタにすることしか基本的に考えていないな…