Apple Watch購入

Apple Watchを購入した。

会社で半額補助が出ることもあって、予約開始日の2015/4/10の早いうちに注文を入れようと思っていたのだが、ばたばたしてしまい、実際に予約を入れたのは夕方遅くなってから。果たして、納品予定日はすっかり後回しの、6月のどこかになってしまった。
モデルは、最も安くてかっこよさげな、例のApple Watch Sport 42mmスペースグレイアルミニウムケースとブラックスポーツバンドというやつだ。
ちなみに、4/10のオーダー開始同時に注文を入れた同僚には、発売・納品当日の4/22に入手していた向きも何人かいた。Webサイトからの予約よりも、iOSのApple Storeアプリを使ったほうが、予約開始時刻が微妙に早くて有利だったのはご存知のとおりだ。
あーあ、出遅れた… と思って数日過ごしていたが、初日以外にビックカメラで朝から並んで入手した人がいるなど、情報と工夫次第でなんとかなったりするものか… と思っていたところ、Dover Street Market Ginzaという店に朝から並んで入手したという友人の情報を発見。話を聞いてサイトをみたところ、ひょっとして今から試着予約を入れ、明日の朝並べば、いけるのではないか…
お店に電話。
なんと、すぐ試着予約してくれるなら、今日はあと2個、希望のモデルがありますとのこと。
仕事中だったが、今年度からコアタイムが短くなったこともあり、うっかり銀座に到着。同じく、Apple Watch Sport 42mmスペースグレイアルミニウムケースとブラックスポーツバンドを購入。

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パッケージングは、いつもの通りとても巧い。
例によっての、開封する楽しさ。
ぺりぺり、するーっと貼り付いた透明シートを剥がす気持ちよさ。
 

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最も安い価格帯のものとはいえ、本体もバンドもすごく良く出来ている。税込み5万だからあたりまえか。でも持つ喜び充分。
最初にiPhoneとひもづけるとき、対象となるApple Watchの画面にうごめく謎の球をiPhoneの専用アプリで撮影して認識するところなど、まるで卵子と精子の神秘的な出会いのように神々しい。

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電池の持ちは案外悪くない。複数日保つとは思わないけど、基本的に寝るとき充電開始して、朝起きたら腕につけていけばよさそうだ。
振動を伝えてくる内蔵TAPTICエンジンもなかなか素晴らしい。ただの振動子にすぎないのに、TPOによって微妙に振動の味わいが異なり、控えめだが確実にわかるよう伝えてくる。
画面をタップする反応、普通に押す反応、強く押す反応の違いもわかる。
このTAPTICエンジンの素晴らしさは、先月買ったMacBook Pro 13インチの、魔法のようなトラックパッドですでに思い知っている。あのトラックパッドは、なんの可動部もない板に過ぎないのに、普通に押した時とさらに押し込んだ時に、どう考えても「押した」「押し込んだ」としか感じようがない感触を指に伝えてくるのだ。電源を切って押してみると、あの「コツッ」「ゴソッ」が、物理的な板の動きではないことがわかるのだ。
実際に使ってみると「バンドのバックルが作業の邪魔にならない」ことがかなりの美点。最近使っている腕時計で比較すると、

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たとえば普通の腕時計 (森の腕時計 by FORREST) をしたままタイピングをしていると、

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タイプしている手首と、パームレストとの間に明確に金属の異物が邪魔をして、邪魔で不快。なので仕事するたびいちいち腕時計を外すようになる。ゆえに腕時計そのものが面倒くさくなる。

Pebbleですら、そうだ。

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ところが、 Apple Watchスポーツバンドの金属のポチは、手首がパソコンに接するところからうまいこと外れている。つけたままタイプしていても気にならない。スポーツバンド自体の出来も、しっくり装着できて、汗かきの僕でもうっとうしくならない。廉価モデルだからバンドにはあまり期待していなかったのだが、かなりいい。

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※ このバンドは後日サードパーティ製に交換した。

ほか、使ってみての不満は、
  • ファクトリープリセットのアプリもメニューから隠したい。あの小さい画面において、アプリアイコン1個ずつの地価は高い。iMessageや株価なんて使わないよ。
  • Google Mapsからきちんとした通知が来て欲しい。アップルのマップもかなりましになったが、Google Mapsの精度と、日々進化する気の効き具合はすごいので。
  • アプリ起動がもうちょい早いといいな。
  • 現在の充電量ぐらいは、ロック解除せずに見れてほしいな。充電中は当然手首から外れているわけで、つまりあの小さな画面に対して、手首から外れている(打ちづらい)状態で認証番号を打ってロック解除したあと、グランスを出して充電量の画面まで送ってやらないといけない。加えて「んっと、充電どうなってっかな」と確認するのは、出かける前の忙しいタイミングだったりする。細かい面倒ごとへのpainが高いときだ。(追記: 時計画面にバッテリ残量を表示するようにして解決)
など、いろいろあるが、今後つぶしていけばいいだろう。
いまいまの使い勝手や不満はいろいろあれど、そこは割とどうでもいい。
ぶっちゃけ、まだまだ普通のひと、一般的なユースケースではApple Watchはまだそんなに必要ないだろう。値段も考えればなおさら。僕は、変化をいち早く感じるのも仕事と行動原理のひとつなので、いうなれば一種の下心も含めて買っている。
感じたのは、「こいつら、これが時計であることなど、どうでもいいと思ってるな」ということだ。
思い出すのは、機械式クリックホイールの初代iPodを見たとき、あるいは自分ではじめてiPod (第3世代) を買って身につけて生活してみたとき
「あぁ、こいつら、音楽なんてのはあくまでもユーザの懐に入り込むための方便でしかなく、実はどうでもよくて、汎用のコンピュータ的な何か (あえて当時のことばで言うならPDA) を、人々が肌身離されず持ち歩くツボに差し込むことを狙っていやがるんだろうな」
と思ったことだ。
結果として、iPhoneが生まれてきた。
でもiPhoneは、せいぜい、ユーザの手のひらか、ポケットまでしか侵入できていない。
Apple Watchは、ユーザの手に巻き付くことに成功した。そしてどうなるか。
「ユーザの手にくっついていける」特質から、すでにApple Watchは独自のロジックをひらきはじめている。たとえばApple Watchは暗証番号でロックできるのだが、手から外した状態では、表示がフェードしたらまたロック番号の入れなおしだ。iPhoneやAndroid端末と同じ。しかし、一度手に装着し、ロック解除したあとは、再び手から外すまでロックは解除されたままだ。腕を上げたり、画面にタッチするだけですぐ機能に戻れる。つまり
「利用者に肌身離さずくっついている状態が維持されている」
イコール
「他人に操作されるリスクがない安全状態の継続」
と考えているわけだ。
ここからだけでも、いろいろ発想を広げられそう。
「こいつら、時計であることなんてどうでもいいと思ってるな」との印象を強めたのが次のこれ。表示される時計部分の表示を、最大59分、実時間より早めることができるのだ。

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時計盤表示以外のロジックは実時間にしたがって動くのがミソ。
「もう遅刻ばっかり! 時計を進めておきなさい!」
「5分前行動! 壁の時計を進めておく!」
みたいな前時代ライフハックが世にあるけれど、それを時計の機能としてサポートしてしまうというのが
「この製品のミッションは時計じゃないよ」
「時計なんてone of themだよ」
「時計としての魂の高さみたいなものは知らないよ」
といった冷静さを感じて面白かった。
さらにその次にこいつらが狙っているのは、人間のどこだろう。
メガネというかたちを通しての視覚への食い付きはGoogleが苦戦している。
今後が楽しみ。

買ってみてどうだったか