新青梅街道は石神井消防署からちょいと新宿寄り、水車のある蕎麦屋。二八そば。
「練馬せいろ」が、せいろの上に薄く細くスライスした練馬大根を盛りつけたもので、まるで蕎麦のうえに白い半透明な蕎麦がさらに一層を成しているようにみえる。せいろをササッ、ずずーっとすする愉しみは半減するが、これはこれでシャッキリしてなかなかいいものだった。もうちょっと大根の辛みが残っていてもよかったかも。
石神井近辺に越してきてはや 19 年になるが、こちらに移ってきてからは、この店には私はほとんど来ていなかった。
子ども心にこの店の水車は記憶に残っている。新青梅を両親と車で西下するのは昭津の兄に会いにいくときだったので、秘密と興奮と嫌悪と退屈が入り交じった不思議な気持ちで、その黒い水車を眺めていたような気がする。
