ピアニスト

良かった。

痛い。せつない。
「せつない」という言葉がぴったりくるほどは感情移入してないけど、母親による過干渉、それによる性格と人生と性癖の歪み、共依存、そしてラストシーンで自らナイフで突いた、ちょうどハートのマークにも似た血の染みとともに、あなたたちと同じ環境も生き方も感覚も感情も要らない、とばかりに演奏会場をあとにしていく彼女を見るに、感情移入ありきの映画ではないと思う。淡々と観察し、モノノアハレを感じればよい。

切って落とす前のラストシーン含めての画の美しさも素晴らしい。
老い、拒絶、逃げ、性欲などいろんな表情を見え隠れさせていくイザベル・ユペールの主演すばらしい。

ミヒャエル・ハネケ監督の映画だと気負わずとも普通に見れますよ。

ピアニスト (字幕版)

ピアニスト (字幕版)