スラムドッグ$ミリオネア

つまりこれは「フォレスト・カイジ」。

主人公の数奇な人生の回想と、現在が幾度も折り返す構造は「フォレスト・ガンプ」に似ている。しかし、ガンプさんの映画は、良いお話のお得用詰め合わせパックであって、これはこれでいいんだけど、「人生はチョコレートの箱」… ひたすら全部甘いお菓子じゃねーか! というスイーツな2時間半に飽き足らないとき、インドのスラム街の過酷さが重い4つ打ちビートのように骨太なストーリーを構成し、主人公の一途な純真さがメロディのように重なっていく本作はなかなかの傑作だ。

過去の回想シーンすべてが、現在繰り広げられている、人生かけたクイズ番組の一問一問とリンクしているので、少年時代といまとの行きつ戻りつにも脚本の必然性と説得力がある。

ダニー・ボイル監督作は、いつか再チャレンジしようとは思ってるけど、ノリがいまいち合わなかった「トレインスポッティング」、キツくて観つづけられなかった「127時間」、全くもってヒドかった「スティーブ・ジョブズ」と、いままでピンと来たものがなかったのだけれど、これはいい! 音楽もとても良い。最後のダンスシーンも、はい! インド(風)映画でした! という感じでとても良い。

というわけで「イエスタデイ」本当に楽しみにしてます!