僕が通っていた小学校は飯田橋にあった。
そんな登校中のある日、飯田橋駅の地下通路に、「藤山寛美3600秒」というテレビ番組の大きな写真入り看板が出現した。
東京生まれ東京育ちの僕には、藤山寛美という人名は未知のもの。そもそも上方のお笑いが異文化そのもの。いまでもあまりねちっこいお笑いは好きではない。その看板は、なにか明らかな異物感を伴って僕の目に入ってきて、妙に気を取られてしまった。
さらに「3600秒」という異様なワーディング。
一瞬あとに、それは1時間番組を指しているのだなと分かった。60秒x60分=3600秒。「ゲバゲバ90分」とかをさらにもうひとひねりしたものだと。
ともあれ、「1時間は3600秒である」ことは、その大きな看板を通して8歳ぐらいの僕の頭に焼き付いた。
そして、その焼き付きの副作用、いわばおこげとして、藤山寛美という人名もインプリントされてしまった。
大人になった今でも、DNSがらみでdigしたりzone fileを見たりして、86400とか3600という数字を見るたびに、反射的に「藤山寛美」という人名が頭によぎり、うっ、いや何でもない… とそれを振り払うシナプスの動きがある。
ということに自分ではじめて気づいた。
某OSS系サイトがいま見えませんが、直すの手伝ってるところです。