僕の大好きなイギリスのレーベルMuteに非常に初期のころからいたアーティスト。事実上Frank Toveyという人 (オッサン) ひとりのユニット。
ジャンル分けするとエレポップになるんだろうけど、サイケとかオルタナティブとか屈折さをもった、しかしエレポップとしてはちゃんとビリビリくる音で、隠れた名アーティスト、名盤だと思うのだが、僕の友人まわり以外でFad Gadjetの話なんて聞いたことがない。Collapsing New Peopleで、Neubautenとコラボして、メタル・パーカッションとかインダストリアルとポップ・シーンの橋渡しを初めておこなったパイオニアとしてももっと評価されてしかるべきだと思う。
このアルバムはたしか2枚目。1982年の作品。アナログレコードのカタログナンバーは STUMM 8. 1枚目のFireside Favouritesは、まだはっちゃけたピエロのような感じだったけど(それでも、きちんと、ピエロの悲しみとか、化粧の奥に隠された老いとか変質さとかそういうテイストをちゃんと持っているので大丈夫)、こっちは重く、ビリビリしていて、屈折したポップさを持ち合わせていてとても良い。Love Parasiteには、当時YazooのAlison Moyetもコーラスで参加している。
当時のMuteレーベルの曲同様、Blackwing Studioでの録音なので、バスドラムやタムの一部は、あのボツボツ来るARP 2600で作られたあの音だ。
ジャケットもAnton Corbjinの白黒デザインで渋い。エレポップマニアなら当然持っているべき一枚だろう。
- Under the Flag I
- Scapegoat
- Love Parasite
- Plainsong
- Wheels of Fortune
- Life on the Line IV
- The Sheep Look Up
- Cipher
- For Whom the Bells Toll
- Under the Flag II
12インチシングル (カタログナンバー 12 MUTE 026) にはFor Whom The Bells Toll IIIとLove Parasite IIIがおさめられているが、こっちも入手可能ならおすすめ。12インチのほうが溝がきちんとしていて音がいいからね。
For Whom The Bells Toll IIIのほうは、演奏がおわったあとのがやがや声がそのまま録音されたままで、その音が鳴り続けたまま、針がレコード中央まで進んで、ブツっと終わってしまう。という屈折さ。
ここを書くためにいろいろ見ていて、Frank Tovey氏がおととし亡くなっていたのを知った。上半身裸でノイバウテンとタイバン張っていた様子からは想像できないが、もともと病弱な方でもあったらしい。R.I.P.