検索エンジン戦争 / ジェフ・ルート, 佐々木 俊尚

Google, Yahoo, AltaVista, MSN, Alexa, LookSmart...検索エンジン業界の栄華盛衰をまとめた一冊。歴史とはいっても、みんな「ついこないだ」の話ばかりだし、いまもまさにいろんなドラマが展開しているエリアなので、ライブ感は非常にある。ウォッチしながら同時代を過ごしてきた人にはなにもかもみな懐かしく、このあたりについて知識を持たなかった人にはとても勉強になるだろう。SEO がどう生まれて、どういう経緯をたどってどのような現状に至っているのかについてもよくわかるので、単に歴史を知りたい人だけでなく、何らかのかたちで仕事で Web にかかわる人にも目を通しておいてほしい。文章も良くて読みやすいし、詳しくない人への解説もきちんとしていると思うので、つまり一般にひろくおすすめできる一冊だ。

ただ、連載記事をまとめて書籍にしたものなので、各章のあたまのほうは前回までのまとめが毎回駆け足で述べられており、これを一冊の本として続けて読んでいると、「だからそこはもう読んだからいいって」という、テレビ番組でコマーシャルがあけると CM 直前部分をまた繰り返されて鬱陶しいのに似たわずらわしさがあり、あえていうならそこだけが気になった。

著者のひとり佐々木 俊尚氏の blogは RSS でひっかけて楽しんでいる。 

検索エンジン戦争

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