運悪く、土曜の夜に、Laguna IIの点火系が調子悪くなってしまった。
日曜にルノー練馬に預ける。
あした月曜はバーゲンで服を買いに行こうと、奥さんと娘さんと話をしていた。どうしようかな。と思いきや、運良く、ご近所にAnycaでTwingoを提供してるかたが現れた。しかも安い。
さっそく月曜の今朝お借りしてきた。思いのほかルノー漬けの三連休になって楽しい。Anycaを利用するのはこれで3台めだ。
僕の最寄り駅、石神井公園駅で朝10時にこんにちは。お借りする。このtwingoのオーナーさんも、Renault 4とか2CVとか乗られていた、その筋のかただ。
あぁぁああっぁぁあああ! イイ!
こんなにキュートなクルマありませんよ。
ぼくは、大学〜社会人のころ乗っていた初めてのクルマがRenault 5だった。
サンクのことは、手足全身で覚えこんで染み込んでいる。
twingoは、ちょうど世代的にサンクの世継ぎみたいなタイミングで産まれた、直系の妹みたいなものだ。似た感じだろうなと思っていたが、想像していたよりも運転感覚が近しかった。座った見通しや、ステアリングやシフトレバーの位置、ブレーキやアクセル、そしてクラッチペダルの位置やクラッチミートの場所と雰囲気まで、おなじ。
乗り込んで、走りだして5秒で、二十数年ぶりに「あの感じ」が手足すみずみに蘇ってきた。他にも内装のドアロック部品は同じだし、外色鉄板むき出しのドア内側の雰囲気も同じ。指を差し込んで開けるドアハンドルのテイストも同じ。
とくにどってことないエンジンなのに、ジドウシャを運転する喜びにあふれている。
シフトゲージは、シリアスなスポーツモデルのごとくコクコク決まるほどではないが、一部のイタ車みたいにクニャクニャゆるゆる、蜂蜜の壺を引っ掻き回すようなゆるさでもない、なんとも程よいシフト感。
ああ、イイ。満喫の5MT. 反論は山ほどあろうが、シフトスティックは右手で操作するに限る。神が人に命を与え給うのは、衣でも食でも住でもない、右手シフトの左ハンドルMTを運転するためなんだよ!!!
twingoって顔がどうにも愛くるしいのだが、ボンネット上の3連エアスクープがヤンチャな男の子っぽいイメージを微妙に加味していて、アシンメトリカルの一匙でもあり、実にいい。
あのエアスクープの裏はどうなっているのかな? とずっと思っていたのだが、機関の冷却系に行っているのではなくて、
こんなふうに閉鎖空間でいったん受けて、
奥のダクトで、上澄みの外気だけ受けるようになっていた。水回りの仕組みみたいだね。
そんなわけで、いったん自宅に戻り、さぁ出かけるか、その前にあたりを一周してくるか、とエンジンを掛けようとしたら、かからない。スターターモーターは元気よくキュルキュルと始動音を響かせるが、一向にかからない。
このモデルはインジェクションだから、ガソリンがカブってしまったのではないだろうし、こりゃ点火系のトラブルで火花が飛んでないのかな… こりゃまた面白く、いや困ったな…
奥さんも娘さんも、いま借りてきたクルマがいきなり不動とのことで、しかし怒るでもなく、ルノーが壊れたからまたルノー借りてきてまた壊れてたら本当おばかさんねえ、じゃあバスと電車で別のバーゲン行きましょうかと、困った旦那・おとうさんを仕方ないわねえと笑っていなしつつ別解に進んでくれるので有難い。愛してるぜ。
そんなところ、オーナーさんと連絡が取れ、twingoエンジン始動の秘密が判明。twingoは、しばらく(30分程度?)エンジンを止めたあとは、キーのロックボタンなりを使って、全施錠・全解錠をガシャン・ガシャンとやらないと、盗難防止のためか、エンジンがかからないようになっているとのこと。
この仕様には気づかなかった…
エンジンキーをひねっても一切反応しない、あるいはアラートが点いたり鳴ったりする、といったふるまいであれば、これはセキュリティ的なものかな、という頭も働くが、twingoのこの仕様は、燃料カットあるいは点火系だけを殺しているのか、確かに始動はできないけど、キーをひねればセルモーターだけは景気よくキュルキュルと回るので、いかにも故障っぽい雰囲気を醸し出している。それも車泥棒を欺く考えられた演出かもしれないが。まだまだ青いな、俺…
そんなわけで、無事ドライブもお買い物も楽しんで帰宅。
このセンターメーター、いまではプリウスはじめ一般的なコンソールデザインだけど、当時はむちゃくちゃ斬新だったんですよ。なにしろ、運転席の目の前には、並んだ警告灯以外何もないもん。
オーナーさんにご返却。またね。