というわけで、一種の儀式として、あさからStillを聴いております。おそらくいままで何千回も書かれてきた説明ですが、ポストパンクのオルタナティブの旗手として英国を制し、いざ米国ツアーに向かわんとするその朝、縊死を遂げたイアン・カーティスの、その死の数日前の、最後の録音がおさめられたダブルアルバムである。
最初のCeremonyが、明るくしかし切ない。どこかが壊れている。これを聴くと毎回胸がずきずきと疼く感じだ。壊れているといえば、このライブアルバムは録音も演奏もひどいもので、一曲めのCeremonyは最初イアンのヴォーカルマイクがはいっていないし、ほかにも単純な曲なのにドラムのステファンが踏み外して進行をめちゃくちゃにしたりする。それでも魔力のような魅力をこのアルバム、彼らが持っているのはなぜだろう。この録音の数日後に、このヴォーカルの人は首を吊るんだ。ということを知っていることからくる鬼気迫る先入観もたしかにあるのだろう。でもそれだけではない。やっぱJoy Divisionはカリスマの味を持っているのだろう。
1980年のアルバム。つまりイアン没後25年経ったということだ。