ファイティング・ダディ 怒りの除雪車

B級なタイトルに惹かれてついamazon primeで視聴。

主演のステラン・スカルスガルドは好きな俳優。RONINでは彼の悪役っぷりを堪能した。彼にとって本作は、あの、前編後編あわせ4時間の長丁場のラストがこれかい… のニンフォマニアック2部作の次の出演だったらしい。前作は美しい映像でえんえんとセックスをひきずる映画だが、今作でも、たまたまみっともない名字になっちゃってて可愛そう、という割とどうでもいい属性として、役名がディックマンさん。

ストーリーは、特に謎のラストシーンを白眉として、めちゃくちゃといえばそうなのだが、細かいことを気にせず突き進む。息子や娘の救出や仇のためならひたすら殺しまくるというプロットは、まるでリーアム・ニーソンの映画のようだと思ったら、後日まさにリーアム・ニーソン主演でリメイクされたらしい。

出演者たちの渋みある演技、通底する冷めた感覚、敵のボスが乗っているフィスカー・カルマというカッコイイのかダサいのか分からない珍車、そして何よりも雪に閉ざされた北欧の風景の映画としての美しさ。

これらを足し算すると、なんだかよくわからないけど、なんとも良さみがあるという、不思議な映画なのだった。