Sound Leaves 10

吉田嘉名個展 紡初 〜つむぎぞめ〜 でも書いた通り、10回目となる Sound Leaves 10 にご来場ありがとうございました。

http://exsead.com/sl10/

 

今回は吉田 嘉名さんによるライブペインティングと同時にやるという試みです。吉田さんがライブハウスの壁面にゼロから壁画を制作しつつ、ミニマルや即興演奏ユニットが自由な音を出し、ビデオプロジェクションも映しだされます。もちろん、ビデオアート・プロジェクション・VJは、4ユニット、いつもどおり全部わたしが準備・プログラミング・制作・実演しています。

アートの素材としての植物や花はもともと以前から結構好きですが、今回は、吉田嘉名さんが女性器をモチーフにした画家であるので、なおのこと花を意識しました (すくなくともtrailer movieでは)。お花って性器そのものですからね。

f:id:mrmt:20181125211937j:plain

f:id:mrmt:20181125211926j:plain

f:id:mrmt:20181125211959j:plain

211 apartはちょうど一年ぶりの出演。こんどレコーディングしようって話になってます。

mi-onさんは、もう一緒にやるのもなんどめだろうって感じで安定してきて、昨日はいきなりの新曲もあって、ぶっつけでビデオアートを合わせるチャレンジをしましたが、勘でなんとかなるもんです。彼女の作曲編曲の流れを自然に飲み込んできたということかな。

わたなべ ひかるさんは、20分間ひたすら即興するよ、ってことで、プロトタイプは渡してもらっていたけど、基本的には何がでてきても驚かない心構えで。

彼の出番あたりから、吉田さんの壁画もだんだん完成形が見えてくるのだろうな、と思っていて、だからVJの全体の流れは、イベント後半に向けて徐々に抽象的になるようにもっていき、観客の興味が次第に吉田さんの壁画のほうに向くようにしていきたい。加えて、ひかるのギターシンセのソロにあまり具象的なプロジェクション・イメージを当てても、イマジネーションをむしろ縛ってしまうので詰まらなくなります。

なので、ホワイトノイズ・ジェネレータっぽい画面、ロシア構成主義っぽく赤い四角が動くアニメーション・モジュールや、その四角が任意のレイヤに対してマットになるように、あと分子運動の微速度撮影とか、アブストラクトな素材だけ用意して、あとはホントにQuartz Composerで、その場で演奏の先を読みながら、IteratorとLFOとか変化速度補完アルゴリズムとか、考えてプログラミングしてました。

メモリや処理速度も有限なので、これらの効率やコマ落ちの可能性も考えつつやらないといけないし、かたやビデオアートで次どうするか、1分あと、3分あとに何がくるか、観客の興味持続カーブと手持ちの材料のストックなど、感性と論理的思考、右脳と左脳を全力疾走させるので、だからこういうのは本当に面白いです。普通のプログラムコードのハックなんて、このうち片方の論理思考しかありませんから。しかも「納期は来週」とかじゃなくて、「次のブレイク」「おそらく4小節先」が納期というハックです。しびれます! たまりませんよ。

最後のSFHのほうになると、画も完成にちかづいています。吉田さんのほうも、わたなべ即興のあたりから絵筆を細いものに持ち替えてディティールの描き込みに移ったそうで、やはりその流れもSFH側も計算していたらしい。おもしろい!

実は、会場のloop-lineは今年の3月末で店じまいしてしまうのです。最後になりそうなのでここでやりたかった。というのもあるのですが、そんなわけで2011/3/13 ? にもまたやるっぽいです。Sound Leaves 11になるのかな。

というわけで、個々にお名前をあげるのは失礼になるので控えますが、いつもお越しいただけるみなさま、どうもありがとうございました!

あと、息子の玄さん、超特急で、自宅からMacBookのビデオアダプタを届けてくれてどうもありがとう! 一生あなたに頭があがりませんw

(2013.5.11追記: 撮影したビデオ: mi-on videos on Sound Leaves 10, January 22, 2011)