Waiting For The Sirens' Call / New Order

New Order の 4年ぶりのアルバム。発売日の 3/24 は朝から出張で、レコード屋に寄る暇もなく移動の一日か…とスーツ姿で思っていたが、新幹線に乗る前の東京駅構内にCD屋を見つけ、さすがにニュー・オーダーぐらいメジャーなアーティストだと、店の入口に Ayu だの ORANGE RANGE だのノボリがでているようなチンケなカス CD 屋でも当日に買うことができた。当然日本盤だが。

新幹線ホームで空きベンチをみつけ、まずは iTunes に入れないことにはどうにもならないので、PowerBook に CD を突っ込んで。お、iTunes に CD を突っ込んでも曲名がでてこない。いやー、俺って、ニューアルバムを発売日の朝にズバっと買っちゃってるからなー。これってきっと CDDB にまだ曲名が入っていないのだろう。人より常に先を走る俺ってやっぱりそれゆえの苦労も多いなー。とか思ったが、それは単に Internet に繋がってないから曲名が取れなかっただけなのでは、と2秒あとに思った。
iTunes にリッピング中にも新幹線の時間がせまってきて、しょうがないので、イヤフォンで俺とつながったままの半開きの PowerBook を持って、ホームを、走る。エグゼクティブのビジネスは常に時間との戦いだ。という感じかな? たぶん違う。 

Waiting for the Sirens Call

Waiting for the Sirens Call

 

当初いわれていた、「プロデューサーにトーレ・ヨハンセン登用!」は、アルバムが出てみると、そのかけらもなかった。ガセだったのか、コラボがボツになったのか。

シングルカットの Krafty はポップでキャッチー、ギターをまじえた打ち込みポップのツボも各所で職人的に押えていて、わかりやすくてとてもよろしい。プロモも甘酸っぱくてキューンとする一品だ。

ほかの曲なんだけれども…。どうにも魅力がいまひとつない。New Order は「聴いてるとじわじわと良くなる」スルメ系の味をもつことが多いが、そのスルメの予感もない。前作 Get Ready にあった、Joy Division からの暗さもない。
荒削りであったり、やたらツボを押えていたり、はたまた破綻していたりしてもなんとも変てこな魅力をふりまくことがあった、独特の「タチの悪い素人」のようなテイストが今作からなくなってしまった。上手に、しかしやる気なく、つくってある、という雰囲気を感じる。フッキーのテンテテ・ベースも、バーニーのグジャグジャカッティングも、両方ともあまり出てこなくて、普通なんだなあ。うーむ。

とはいえ、聴きだしてかれこれ二十何年のおつきあいなので、今後もずっとよろしくおねがいしますね。