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わたし、男子校出身です。/ 椿姫 彩菜

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椿姫 彩菜の自伝的なやーつ。
彼女が書いている「男子校」は、僕が小中高と12年通った学校だ。つまりこの人は僕の学校の後輩。

子どものころから心と体の性の不一致に苦しんでいた彼女は、この男子校では理解ある仲間に恵まれて… というあらすじは以前から(リアルにも)聞いていた。
あの学校がいちばん理解者に恵まれていて幸せだったという話は、卒業生の一人として「まぁ、そうだろうなぁ…」と思うし、同輩みな同様の感想だ。いまでこそLGBTとかダイバーシティというキーワードで採り上げられるようになってきたものごとは、自由なあの学校に通った仲間なら「いまさら」すぎる体感だし、わざわざ課題として扱わなければならない現状は、都会育ちの人間にとっての部落差別云々同様、ダサすぎる。

ただ、暁星を出て大学に入ったら差別に直面して辛かった、という話は、実際に読んでみると、大学(青学)が差別的でダサいというより、男子校から初めてリアル女子たちが息づくコミュニティに入ってみて、リアルは想定外にリアルだった、という感じのことであった。とはいえ、ダイバーシティの薄い人間クラスタに一定のダサさがあるのは間違いない。

彼女は学業でも優等生だったと聞いていたが、本の文章は割とアメブロ的だった。ここはTPOというやつかもしれない。でも、冒頭、さまざまなこれまでの軋轢を乗り越えて、「ママ」に「女の子としての名前をください」と訴える話は、深く重みがある。

 

このひとのことを思い出して本を読んだきっかけ。

話の舞台の一部でもあり、母校でもある九段の暁星学園では、昨年に歴史ある講堂の取り壊し記念式典があって、僕のところにも案内状が来ていた。(よりによってFBMと同じ日程だったので行けなかった。フランス文化の色濃い暁星のOBを集めるイベントがFrench Blue Meetingと重なるのはちょっと避けてみてもいいんじゃないかとは思った)

案内状には「私と音楽」「私と映画」「私と歌舞伎」「私とコメディ」みたいな各種テーマで、各界卒業生たちの講演予定が並んでいたのだが、たしか最後の講演が「私と暁星」で、それが椿姫彩菜のトークになっていた。

創立以来128年の男子校の、78年の歴史を持つ講堂の記念式典というオフィシャルな催しで、締めのトリに彼女をきちんともってくる母校とOBたちの懐というか心意気に、あぁ、僕はいい学校を出たんだなぁと改めて感激した。

なんといっても、男子校の式典において、彼女は紅一点だしね。

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わたし、男子校出身です。

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わたし、男子校出身です。Comic (本当の声。Bookmark!)

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