文章・読み物としては思ったより淡々としていて、でも展開されるドラマ自体がおもしろいので、割とすぐ読める。
僕にとっては、学校のひとりの後輩の物語としても楽しんだ。椿姫さんが幸せに暮らした小中高一貫の私立男子校(そのあとの青学は彼女曰くうんこ)に私も12年いたので。
だいたい、男子校というものは あっさりさっぱりしているところがあるし、それに歌舞伎界の子息は必ずうちの学校という不文律があるから (その筋の家のこどもがほかの小中高いってたら日本国の異常事態)、我が国の女形役者というものは絶対うちの先輩なり後輩なり同級生。くわえて、基本的にわりと理解のある教師たちや「優しい個人主義」みたいな風土とか、仲間のいろんな属性を許容しつつ過ごせる学び舎として、トランスジェンダー要素のあるひとには最適な学校だったのかなと。
タブリエとかフランス風風物、あと基本的にわりと理解のある教師たち、「優しい個人主義」みたいなところとか、あるあるーな懐かしさや、一種の誇りも感じつつ読了。