Sound Museum / Towa Tei

Sound Museumテイ・トウワくんのソロ。2枚目。

むかしNHK-FMで「坂本龍一のサウンド・ストリート」という番組を毎週やっていて、愛聴していたのですが、ときどき「デモテープ特集」というものをやっていて、いろんな人がポップやら実験やら遊びやら、さまざまなものを投稿していてたいへんたのしめた。
そこの、センスありユニークな強力常連だったのが「テイ・トウワくん」で、典型的な「サンプラーを買ってきて嬉しいな少年」っぽい感じではありつつも、実験とポップが気持よく織り混ざった無国籍なコード・サンプリング手法に毎回とても楽しまさせていただいた。後になって、おぉテイ・トウワくん、とうとうプロになっちゃったのかー、と、応募したけど名前を呼ばれただけで終わった僕としては、応援しつつも、そんなわけで僕のなかではいまだにあの「テイ・トウワくん」なのだった。

前作よりも曲想は一般的に分散されていて聴きやすくとっつきやすいかも。

いちばんキャッチーで看板なのが G.B.I (German Bold Italic) で、カイリー・ミノーグのヴォーカルというかヴォイスもいいが、ベタなダンス・チューンっぽさもかなり相当最高っぽい。この1〜2週間ほどかなりこればかりヘビーローテだ。
YouTube にプロモが落ちているのでぜひどうぞ。東京でゲイシャの格好で踊るカイリーがヘンテコ東洋感があって、かなりとてもよろしい。Kylie Minogueはオーストラリアのアーティストなので、厳密には東洋人といえないこともないけどそれはさておき。当時ゲイシャ・ガールズをやったり吉本興業に移籍したりとか、テイ・トウワ的にはこのあたりはど真ん中だったかも。
とにかく、擬人化されたフォントの女の子(?)が主人公の歌というのは空前絶後ではないだろうか。アキバの風俗業界も、Knuth先生もモリサワもびっくりである。この Enhanced CD には実際に GBI (German Bold Italic) のフォントデータやスクリーンセーバとかも入っている。Macintosh 用のは MacOS 9 のやつで、もう僕のところでは動かないけれど。

ほかにもBebel Gilberto, 細野晴臣矢野顕子、松竹秀樹会長、森高千里などゲスト多彩。これもかなり鉄板でよろしい一品。