トップガン マーヴェリック

想定をはるかに超えて面白かった! 結局、通常の字幕上映と、IMAX字幕上映の2回観た。

オリジナルの「トップガン」は割とスカスカな映画という印象があり、カッコイイ男と、強いけどまぁステレオタイプな女、迫力満点だけど迫力しかないプロモビデオのような飛行シーン、雑すぎる敵のヒコーキ(偶数番号のミグにエクゾゼ搭載って小学生の落書きかよ)、何回か義務的に見たけどつい途中で寝てしまい、いまだ完走できていない。

三十余年を経ての続編も、そうは期待しておらず、流石にみんないい年だし、映画も社会も成熟したから、トム君がオレオレかっこいいだけの、人工知能になんか負けないゾ的な「ステルス」みたいなからっぽ映画ではないよね、きっと…… ぐらいの期待で着席した。

いやー、登場人物の造形などは同じくシンプルだが、画もストーリーもとてもよかった。 ここはルークかブラックバーン・バッカニアを駆るラウンデル少佐の出番だなとか、ロシア語で考えなくてもチャフ出るよねとか、おいしい展開の配置や順番もよく、脚本のメリハリもよい。 古きマーヴェリックも新しき世代も、意固地や生存バイアスや変な懐古主義にもならず、F/A-18E/Fも第5世代ステルスも、P-51も、ナローの911も、イントロとラストのDX-7サウンドも、そうそう、トム・クルーズのみならずトム○ャッ○のクルーズも、みんないい感じに溶け合っていた。

特に、作戦と敵味方の飛行機まわりのリアリティラインが巧いので、安心して画と話に集中できる。TsAGI風味?のF-22ぽいやつも非常にSu-57だ。 実はあんなものがとか、あれがあんなところにとか、キワモノな設定や伏線もあるけど、うるさがたも仕方ねえなとお話に乗れる理屈立てもうまい。スカンク臭い工場のケリー・ジョンソンさん、ありがとう! 特に最後のあれは、ラスボスのアジトで元カノと再会みたいな超展開なんだから、「この機種ならありそー」と納得させてくれる故モハンマド・シャー・パーレビ国王陛下には、エンドロールにspecial thanks toに出ていただく資格があるよね。

バイクは詳しくないのだが、 トップガン・マーヴェリックでトム・クルーズが乗っていたのはやっぱり、今度は現行のNinja H2というやつだった。 この車種にしかついてない?丸いほうの川崎重工ロゴをくっきり入れたシーンがとてもかっこよかった。