宇都宮の餃子というのを食べてみたかった。
思ったよりもけっこう大きな市街だ。中心部に近づくと、たしかにそこかしこに餃子屋が。「餃子」のでかいネオンが各所に取り付けられた高層ホテルがあったりして、つげ義春「ねじ式」の、女性科医院が入っている工業ビルをちょっとおもわせるシュールさがいい。
「TVチャンピオンで優勝した店」というのに行ってみる。そういうのをバロメーターとしてどうなのかというのはあるが、もちろん別に何も信用しちゃいないが、どうせこっちも気楽な旅行者なので、ノってみるのも一興だ。
わるくなかったんですが、単にわるくない中華料理屋というだけだった気もする。
なんでも宇都宮にはむかし帝国陸軍のでかい基地があって、そんなわけで中国大陸から餃子文化が持ち込まれて、そして日本の地で「焼いてたべる餃子」という、もとの中国からするとビックリの料理法と文化がはじまったわけで、だとすると、蒸し餃子や水餃子という、ある意味由緒正しい餃子をこの宇都宮で食ってもあまりしょうがない気もした。宇都宮らしい、「日本で変質していった中華料理起源のニホンの食い物」である餃子の探求は、これも今後の宿題となった。
食後はうまれて初めての岩盤浴へ。最初ふつうの家族向け温泉だと思ってはいって、大人料金1,800円というのに驚いたのだが、なかなか清潔で気持ちよく、これはよい体験だった。
東北道はすっかり路面もなめらかになっていて、すべるような心地で気分良く帰宅。