荒野の七人

「七人の侍」の映画化権をユル・ブリンナーが買って作ったお気楽西部劇。
3時間超の不朽の名作「七人の侍」とまじめに比べてはいけない。
舞台もニーズも観客層も違うのだし、これは全然ちがうもの。鼻でもほじりつつ、コーラでも片手に、ゲップをしつつ気軽に観よう。

見ていると、これはあの人なのね、ここはあのシーンなのね、というのをいろいろたのしめる。日清カップラーメンを食っていると、はいっているカケラひとつひとつに、おおこれはまるで本物のナルトみたいだなあ、これもまるで本物の卵焼きみたいだなあ、と、模型やパロディと同じような楽しさがある。そういう感じ。

十年ほどまえ、当時勤めていた会社の子会社、かつての電算系部署がSIer系会社に独立して… というよくあるパターン、が人材不足で、おそらくあまり予算もなく、ついにそこの仲良かったマネージャさんは、fjに「七人の侍」のパロディみたいな求人メッセージをポストしていた。

(まあ映画に縁の深い会社だったし。でもそのSIer系会社は、NEC ACOSがどうしたみたいなのが当時のメイン分野だったが…)

「給料はあまり出せません、けどメシは腹一杯くえます」みたいなそのメッセージは、面白かったが、予算窮乏のなかからひねりだした感が切々としていて、ちょっとせつなかった。

エレベーターでたまに会うたび、「侍は来ましたか」と聞いていたが、いつも寂しそうに笑っていた。

さすがに「おう、SEは見つかったかい!安くて、強くて、物好きなのがよ!」とは聞かなかった。