百 / 色川 武大

リラックスした諦念のような、でもそこかしこに激しさがきらりとのぞくような色川 武大の随筆や文学作品はかなり大好き。色川武大というと、どうにも別名の阿佐田哲也名義の「麻雀放浪記」のほうが著名で、しかもそれらは真摯な娯楽小説であるため、何かと軽く扱われぎみだが、ぼくは色川武大/阿佐田哲也は「素晴らしい日本語文章を書く人」のベスト10に勲すべき人だとおもう。

川端康成文学賞を受賞した「百」をはじめ、この短編〜中編集は似たようなテーマの作品があつめられているのだが、冒頭の「連笑」もかなりよい。イイ!