CG 2000/4

久しぶりにかった. 昼休みによむ

  • サターンの広告アメリカン路線に変更。「礼をつくす会社。礼をつくすクルマ。」ってコピーとか、あのデザインからなんとなく、あれは韓国車だと思っていた人が結構いたらしい。
  • 1999西欧地域乗用車販売台数過去最大、VW group 18.8%, PSA 12.1%..
  • SAAB GM 100% 子会社に
    航空部門は今も 100% スウェーデン資本
  • 次期ローバー25/45シャーシを VWポロと共用? VWの魔手今度はBMWにも?ピエヒ最近ゲイツスギ
  • Opel Corsa (Vita) new model 2000/10?
  • プジョー 607 フェリーヌ & パラディーヌ あれげ
  • ルノー・コレオス: 前輪ガソリンエンジン + 後輪電気モータ
  • ホンダ日産抜き国内メーカの世界生産台数二位

インサイトと S800 を比べるのは面白い。インサイト後輪 SM すぎ

エスティマ

理想を斬新な技術で真摯に実現した先代に比べ、二代目はマーケットやコスト的な優等生になってしまったので、やはり、技術指向の人間には悲しい。

ぼくは いわゆる RV はどっちかというと嫌いだし、トヨタのクルマも好きでないものは多いが、エスティマ、プリウスなど、技術的に刮目すべきものをしかも現実的に世に出しているところなど、実にレスペクトすべき点は多い。
技術マーケ両方に実力あるメーカが先陣を切ってくれないと、こういう状況はなかなか走り出してくれないので、トップメーカとしての社会的責任も果たしているといえる。

今回のモデルチェンジの方針は、マーケティングも含めた総合判断としては正解だろう。このへんの切り分け、判断がしっかりしているのも素晴らしいところだ。

とはいえ、やっぱ、たとえばぼくとしては残念だ。

シンボリクスの LISP マシン、Pixar の並列マシン、アポロの DOMAIN-OS、Sun の NeWS、シトローエンのハイドロ・ニューマチック、メロトロンのようなアナログテープ・サンプリング・キーボード(おいおい だんだん ずれてきたぞ)のような、技術者の夢 (だけ :) を形にした独自アーキテクチャの製品は、つねに 栄えない運命なのね..

「パッケージこそミニバンの命」という論理的なコンセプトを捨て、先代のネガを FWD にすることで克服し、そしてただのミニバンになった。確かにフロアは下がり騒音は減りエンジンの選択肢も増えただろう。しかしトヨタはどうして誰もが絶賛した先代のパッケージ/レイアウトで挑戦しようとしなかったのか。時間はたっぷり10年もあったのに。その10年間にトヨタがしたことは、せっかくのパッケージを活かすにはボディが小さ過ぎる子エスティマの追加とスーパーチャージャーを付けたこと、それだけだった。10年前に見た先進性は10年後のいまとなっては見る影もない。
テストを終えた日の朝刊は新型エスティマが発売開始一カ月で2万台の受注を記録したと伝えた。その記事を読んでトヨタの上層部がほくそ笑んでいる姿を想像したらどうしようもないくらい淋しくなった。

あらゆる技術者に捧げるオマージュではないだろうか。
って、思わず打ち込んでしまったことだよ。

Peugeot 406

同じ番号で新型を出すなんて、堕落つーかオマエは一体ドイツ人か! とか思ったりはするものの、
うーん。かっこいい。S15 シルビアとどう顔が違うんだと言われると困るが、かっこいい :)

東京モーターショーで new 406 の TVCF を見た影響もあるのだろう。

ひとつは、ヒチコックの「鳥」を題材としたもので、暗く不安な画面、鳥に覆われた家から、不安で切なそうで今にも泣き出しそうな男がそろそろと 406 で車庫から出て、町をゆっくりと去ってゆくもの。

もうひとつは、おそらくある少年と少女の、過去から現在未来に至る妄想と想像と幻想のフラグメントを時系列を無視して織り混ぜたもので、視覚・印象のキーとなるシーンがあるとすれば、それは少年が海中で鮫に襲われそうになる一瞬のカットと、大人の男と女として再会した? ふたり、男がシャツをめくるとその腹部には無惨な鮫の歯跡、巨大な傷跡がまみえるその一瞬だろう。(画面タッチはもろフィルム・ルック)

あと、田園とか宮殿を優雅に走る 406 の図、もあったけど、こんなタコCFはどーでもいい (笑)

両者とも、なんつーか、一体どこが販売促進とかイメージアップになるのかさっぱりわからないというか、前者はただただ不安なだけで、男がカッコいいとか、渋みがあるとか、異常事態に際しても 406 なら安心、とかいった印象はまったくない。コミカルでおかしいといった要素すらないのだ。
で、後者は完全にアブストラクトの世界に没入してる。

が、うう、もう、また、たとえば後者は、あと50回はまた見たい。

いったいなんなのだろう。なんで、こう、ウマイのだろう。
そして、なんでまた、こういう企画が、ちゃんと通るのだろう :)

DS

の TVCF も、なんというか、全身の皮膚が裏返りそうなほど感動したものだ。耳が痛くなるような現代音楽 (武満 徹「弦楽のためのレクイエム」ぐらいイタイ)のなか、まるで遠い星系の砂漠の惑星上のできごとではないかと思えるほどの違和感、現実との乖離感のなか走る DS つーか、あああああああ

昔からシトローエンの広告はデルピール・パブリシテって広告会社がやってるのだが、ほんと、こいつら、いってる。つーか、いっちゃってすぎて潰れちゃったのだが、シトローエンが社員を引き取って、そのままいっちゃってる続けさせたつーか、ほんとこいつら、技術も広告も経営もなにもかも行っちゃってるバカばっかりなので、たまらない。

って、1974 年に n 回目の倒産の危機を迎えて(というか、新型車が出るたび、その研究開発費で倒産しかかるというのがシトローエンの伝統になっている :-)ついにプジョーの子会社になっちゃった訳だが、だんだん制約はつらくなってはきているものの、いまだバカやらせてくれている親会社のプジョーには、やっぱり、感謝のことばもないね。
買収されたコンピュータ・メーカで、いまだ元気に味を出してやってる会社が、一体どこにあるというのかね? ;-p

このへんの TVCF をじっくり味わうには、やっぱり本国行くしかないすかね。
おれ的には Linux の 534 倍、セックスの 231412231 倍ぐらい重要なのだが。

って、とっくに昼休みが終っているじゃないか。